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2013.10.01

総合政策学部井庭崇准教授と井庭研究室が「2013年度グッドデザイン賞」を受賞

総合政策学部井庭崇准教授と井庭研究室が、今年2月に出版した書籍『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(慶應義塾大学出版会, 2013年2月)で、 2013年度グッドデザイン賞を受賞しました。

  プレゼンテーション・パターン

この賞は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザインの推奨制度で、 私たちの暮らしと産業、そして社会全体を豊かにする「よいデザイン」を顕彰するものです。

このたび受賞した書籍は、聴き手の発想や発見を誘発する「創造的プレゼンテーション」 の秘訣を「パターン・ランゲージ」という形式でまとめた書籍です。プレゼンテーション をつくる「状況」で、どのような「問題」が生じやすく、それをどう「解決」すればよい のかを小さな単位でまとめ、34パターン紹介しています。この34個の秘訣を少しずつ取り入れることで、その人らしさを踏まえたスキルの向上が支援できるように設計・デザイン されています。

この書籍は、2011年に井庭研究室の研究プロジェクトで作成した成果がベースになってい ます。当時、学部1年生から4年生であった坂本麻美、松村佳奈、荒尾林子、柳尾庸介、 濱田正大、村松大輝、松本彩、原澤香織、下向依梨、中野えみり、仁科里志、野村愛、安浦沙絢、山口祐加と、プロジェクト・リーダーで担当教員 井庭崇の計15人のメンバーで作成され、2011年度のSFCStudent Awardも受賞しています。

今回のグッドデザイン賞の審査では、「コミュニケーションをとることが重視される現代 社会においては、プレゼンテーションする機会も多くなる。最近では若い人のプレゼンテーション機会も多く、前世代を生きた人間にはうまく伝えられないこともある。本書籍はプレゼンテーションの本質的な理解を促すための秘訣(視点や考え方など)がわかりやすく整理され、ウィットの利いたイラストやコピーを用いて学生でも読みやすいように仕上げており編集デザインの観点から評価した。また相手の存在を理解しなくてはならないデザイン意識の指南書としても期待したい。」という評価を受け、受賞となりました。

なお、本書籍は、2013年10月30日から11月4日まで東京ミッドタウンで開催される「2013 年度グッドデザイン賞受賞展」にて展示されます。

井庭崇准教授のコメント

本書は「パターン・ランゲージ」という実践知の記述方法にもとづいて書かれています。この方法は、建築デザインの分野で考案され、ソフトウェア・デザインの分野で普及したものです。現在、私たち井庭研究室では、創造的な人間行為のデザインへの応用に取り組んでいます。今回その成果のひとつが、「デザイン」の観点から評価されたことを大変うれしく思います。本書は、内容や文章はもちろん、イラストやレイアウト等もすべて自分たちでこだわりをもってつくっています。書店に並ぶと、よくある「プレゼン本」と同じように見えてしまうかもしれませんが、実は「つくり」がまったく違う、ということを知っていただく機会になれば幸いです。

井庭研究室では今後、本受賞作の姉妹編である『ラーニング・パターン』や『コラボレーション・パターン』の書籍化に取り組むとともに、まったく新しい領域 ――― 防災、教育、組織変革、グローバルな生き方、日本的方法の再生等 ――― での創造的活動の支援にも取り組んでいきたいと思います。今後とも、ご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

グッドデザイン賞                g-mark

井庭崇研究室

発信者: 湘南藤沢事務室 総務(広報)担当