グローバル・ガバナンスとリージョナル・ストラテジー(GR)

 グローバル化の進行に伴って、世界各地で多種多様な問題が浮上してきています。こうした問題に取り組むために、地域の実情に即した分析に基づいたリージョナルなガバナンスを念頭に、実現可能な戦略性「ストラテジー」を提案していくことが必要だと考えます。本プログラムでは、こうした地域へのまなざしを基礎にすえつつ、関連する諸学問領域の統合的な把握と実践的な活用を通じて、人類社会共通の平和と繁栄を実現するグローバルなガバナンスの構築をめざしています。実際の研究活動においては、日本・中国・朝鮮半島を含む東アジア、東南アジア、ラテンアメリカ、北アメリカ、ヨーロッパ、イスラーム圏を中心としたフィールドワークが重視されると同時に、政治・経済・外交・貿易・安全保障・国際関係・エネルギー・金融・法などのほか、言語・文化・情報・社会・環境・宇宙・宗教に至る幅広い専門領域から総合的なアプローチが行われます。
プログラム内外の活発な研究交流が大学院生の研究に有効に活用されている点は特徴的であり、多様な地域および専門領域間の比較研究・相関研究の場としても最適です。また、延世大学(ソウル)、復旦大学(上海)とのダブルディグリー制度や、両大学の院生たちとの遠隔による共同クラスの実施をはじめとして、海外の研究教育機関との密接な連携によるさまざまなプロジェクトが進められています。さらに国際学術会議を定期的に開催しており、履修登録者には発表の機会も用意されています。

関連プロジェクト

  • グローバル・ガバナンスとリージョナル・ガバナンス
  • グローバリズム・ナショナリズム・ローカリズム (GNL)
  • イスラームとグローバル・ガバナンス研究プロジェクト
  • WTO体制と東アジアにおける経済統合
  • 日本研究
  • International Policy Analysis(国際政策分析)
  • 現在社会文化論プロジェクト
  • 評価プロジェクト
  • インターリアリティ
  • チャイナ・パースペクティヴ

(参考)塾生HP:【SFC】履修案内・講義要綱・時間割>政策・メディア研究科>大学院プロジェクト科目 担当者・登録番号表(PDF)

Interview

 グローバル化を理由に人間が人間に対して退場を命じることは許されない

チェアパーソン 奥田敦 教授

加速度的に進行するグローバル化にガバナンスの醸成が追いつかない。中でも深刻なのが、グローバルなレベルでのバランスと公正の欠如です。富、権力、安全、情報、知識、人口、平和など、ローカルなレベルでも、またグローバルなレベルでもその偏りは激しくなる一方です。持たざる者の淘汰にしか見えない事態が公然と進行しています。グローバリゼーション下においては、国家の力が相対的に弱くなったという指摘がありますが、たとえばシリアにおける国家権力をめぐる争いは、すでに長い間泥沼化の状態に入っていて、無辜の市民に甚大な犠牲を強いています。テロとテロに対する戦いという機軸では、一向にグローバルなレベルでのバランスも公正も取り戻せません。我々は、一部の人々や社会のみにとっての幸福や繁栄を超えたところでまさにグローバルなバランスと公正を考えなければならないのです。
生命38億年の時の流れの中で「人類」の比率は、破滅に向かうがごとく歪に肥大しているという指摘があります。そうした状況の中で人類が自らに対して自然淘汰を創出すること、つまり人間が人間に人間社会からの退場を命じることは許されません。とはいえ、そうした歪みがもたらす問題はあとを絶たず、またそれに抗する動きもローカルなレベルで顕現することが少なくありません。GRプログラムでは、日本、中国、朝鮮半島、東南アジア、アメリカ、ラテン・アメリカ、欧州、中東欧、イスラーム圏およびそれらの相互の関係において、グローバリズムの閉塞や反グローバリズムとの対立を乗り越えるための問題発見と解決策の戦略的探究をプロジェクトレベルで重視していきます。それらの研究成果を総合的に踏まえながら、GRプログラムが、グローバルなレベルでのよりよいガバナンスの構築へ向けた総合的なコラボレーションの場になればと考えます。

メンバーリスト

2017年度9月現在
◎印はチェアパーソン

氏名 職位 専門分野
岡部 正勝 教授 社会安全政策、警察学、刑事司法、サイバーセキュリティ
奥田 敦 教授 イスラーム法およびその関連諸領域, アラビヤ語教育、ガバナンス学
清水 唯一朗 教授 日本政治外交史(統治構造論、政官関係論)、オーラル・ヒストリー(政策研究、組織研究、法論)
神保 謙 准教授 国際安全保障論、アジア太平洋の安全保障、東アジア地域主義、日本の安全保障政策
田島 英一 教授 中国地域研究、中国市民社会論、公共宗教論、中国キリスト教系団体研究
田中 浩一郎 教授 イランを中心とする西アジア(中東)地域の国際関係とエネルギー安全保障、および平和構築と予防外交
土屋 大洋 教授 国際関係論、情報社会論、公共政策論
鶴岡 路人 准教授 国際安全保障、欧州政治、EU、NATO、核政策
鄭 浩瀾 准教授 中国近現代史、中国地域研究
中山 俊宏 教授 アメリカ政治・外交、日米関係、国際政治
野中 葉 専任講師 現代東南アジア研究、現代社会と宗教、女性とイスラーム、マレー・インドネシア語教育
廣瀬 陽子 教授 国際政治、紛争・平和研究、旧ソ連地域研究(特にコーカサス)
渡邊 頼純 教授 国際政治経済論、GATT・WTO法、欧州統合論

教員検索(教員プロフィール)

キャリア・資格等

就職先、進路としては、政府系・民間系の研究機関、国内外の公務員、メディア関連・教育関係の諸機関が挙げられます。具体的には、国際協力銀行(JBIC)、開発金融研究所、国際協力機構(JICA)、国際金融情報センター(JCIF)、民間コンサルティング・ファーム、国際NGO、国家公務員 1種、外務公務員(在外公館専門調査員を含む)、国際公務員、国際ジャーナリストなどに実績があります。教育研究専門職志望者には後期博士課程への道も開かれています。

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