新カリキュラムのご紹介の前に、SFCのカリキュラムの変遷を振り返ってみたいと思います。1990年に開設された総合政策学部、環境情報学部では、開設以来これまでに6つのカリキュラムが存在しました。その一つ一つを概念図とともに簡単にご紹介します。
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Ver.1 1990
SFCは1990年に開設されましたが、時代に先駆け、開設当初から現在に至る、自然言語(外国語科目)と人工言語(情報処理)が、そのカリキュラム設計の二本柱となっていました。また、大学設置基準の大綱化(カリキュラム編成の弾力化)を受け、体育科目を必修から外す大学が増えていくのに対し、今日に至る体育科目必修の礎が開設当初から築かれました。今日に続く全学生に研究会の履修を課す流れも開設当初からの基本理念となっています。
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Ver.2 1994
第1期生を世の中に送り出し、初めてのカリキュラム改正が行われました。従来、「人文科学」「社会科学」「自然科学」という3系列で一般教育科目と呼ばれていた科目群を見直し、4年間を通じての大学教育の基礎を学ぶものと位置づけ、「環境の中での人間行動」「人間をとりまく時間的・空間的背景」など独自の観点を付け加えてパースペクティブ科目という科目群に再編しました。
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Ver.3 1997
現代社会にあふれる様々なデータを正しく取り扱うためには、収集や整理、検索や分析のための技法を身につけることが重要であり、いくつもの分野に広く応用できる共通の基礎知識として、SFCに集う全員が学ぶべきものと位置づけられました。97年のカリキュラム改正では、この点に焦点を当て、データサイエンスという新たな枠組みを構築し、両学部において必修科目としました。
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Ver.4 2001
SFCは10年を経て、「現在の教育プログラムが時代に合っているか」「学部と大学院に一体感があるか」「SFC当初の教育理念を体現しているか」という3つの角度からカリキュラムの見直しを図った結果、改革ともいえる大変更を実施し、SFC Version2.0がスタートしました。内容としては、「研究プロジェクトの更なる重視(課題発見解決型の研究スタイル の重視)」「フレキシブルな履修体系(学年別科目・コースの廃止)」「クラスターによる専門領域ナビゲーションシステムの導入」が挙げられます。 ※ クラスターとは、SFCが現在探求している研究領域で、総合政策系、環境情報系、複合系の3分野各5クラスター合計15のクラスターで構成されています。
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Ver.5 2004
SFCが誇る自然言語(外国語科目)と人工言語(情報処理)とデータサイエンスを01年カリキュラム(SFC Version2.0)よりバージョンアップしました。すでにデザイン言語については、新しい方向を目指した科目として提供されているため、既存の基盤的な科目群の改革を中心として、SFCがさらに時代の最先端を走るための知的基盤の確立を目指しました。
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Ver.6 2007
SFCが掲げる使命は「未来を創る大学」であり、そこで育つ人材を「未来からの留学生」と位置づけました。「未来からの留学生」は、現状に合わせて生きる人間ではなく、自ら未来を切り拓いていく「先導者」です。そして、SFCから旅立つ「先導者」に期待される3つの力「未来を創造する力」、「先端を探求する力」、「自ら学び続ける力」を中心とした科目群の構成、学習計画をサポートするためのメンター制度の導入、卒業プロジェクトの必修を特徴としており、「未来創造カリキュラム」と位置づけられています。