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2026.03.03

雪の鳥取とさばしゃぶ、づけとじめ|政策・メディア研究科委員長 高汐 一紀

「高汐先生だけは帰してください、と言われました」

うしろの席から声がかかる。とある案件に関する情報収集と協力依頼のため、関係者で鳥取県を訪れていた。前日の米子市各方面へのあいさつと打ち合わせを終え、県庁への説明のため県内を西から東へ大移動中のこと。外は結構な雪。というか、折からの大寒波襲来で山陰は大雪。先の声の主は、同行していただいた職員のおふたり。本当はこの日も午後まで予定が詰まっていたのだが、羽田便が飛ぶか心配だったので予定を大幅に縮小。チケットも午後の早い便に切り換えた。帰った次の日は修士公聴会。そりゃそうだ、修士公聴会の当日に私がいないのはさすがにヤバい。

なんとかすべての予定をクリアして早めに空港へ。鳥取市に着いたころには弱まっていた雪もまた強くなってきた。問題は羽田からの便が着陸できるか。機材がなければ欠航になってしまう。既に最終便は欠航が決まっていた。その理由は飛行機に詳しい人ならピンとくるだろう。ANA のページではすべての便が「条件付運航」との表示。職員のふたりと Flightradar の画面を覗き込む。わたしたちが乗る(予定の)飛行機、鳥取空港上空までは来ている。が、降りてくる様子はない。同じコースをぐるぐると旋回している。軌跡が空港に向けば「おっ!」と声が上がり、逆に向かえば「あぁ」と落胆する。その繰り返しがどれくらい続いただろう。雪が弱まった隙を突いてついに機首が滑走路に向く。雪煙をあげながら着陸。搭乗口で待機していた乗客から歓声があがった。

私がこれほど落ち着かなかった理由は昨年のトラウマ。2月の終盤、今回と同じように諸々業務の隙を縫ってこちらに来ていた。昨年6月のおかしら日記でも触れた Nichinan University HUB 構想のキックオフイベント、「大学とともに創る地域の未来 キックオフフォーラム ~地方創生・日南町モデルの共創〜」に登壇するためだ。このときも大雪。帰京日当日の午後にとある超重要な会議が設定されていたので、午前中の便で米子から羽田に戻る予定だった。米子空港は自衛隊の基地と滑走路を共有していて雪には強いことを知っていたし、朝には雪も弱くなっていたので、まぁ大丈夫だろうと高を括っていた。

これがよくなかった。搭乗時刻が迫るにつれ雪が強くなる。ずいぶん待たされた末に乗ることはできた。のだけど、翼に融雪剤を撒くとかでなかなかゲートを離れてくれない。ようやく動き出して滑走路まで移動したところで停止、コクピットから機長が出てきて翼の積雪の様子を確認しはじめた。で、「やっぱ無理」というアナウンスとともにゲートに引き返し、全員降ろされてしまった。このころには後発便で帰路につく学生たちも空港に到着していて、私が乗っている便が滑走路から戻ってくるのを見て「何事?」となっていたらしい。結局、数時間遅れて飛んだものの件の会議には間に合わず、機内から「ごめんなさい」メールを送った。

今回も滑走路手前で機長が外に出てくる展開があり「ドキッ」とさせられたが、数時間遅れでなんとか飛行機も飛んでくれた。飛んだら飛んだで、離陸直後に前方カメラの映像に大きな鳥が飛び込んできて超ビビらされるわ、雪雲を抜けるまでの揺れが半端ないわでなかなかのフライト体験。翌日の修士公聴会にも無事に出席することができて、ほっとした。

さて、山陰といえばごはん。そういえば、昨年のこのタイミングでのおかしら日記のネタは「弊家のカレー3日間コース」だった。今回もごはんネタを少し。

米子の夜は、最近ハマっている「さばしゃぶ」のお店。関東ではあまり聞かない食べ方だが、文字通り、薄切りにした新鮮な鯖を出汁にくぐらせて食べる。思い出すだけで口の中が潤うほど美味しい。出汁には薄切りたまねぎが大量に浮いていて、鯖と一緒に食べる(当然途中でたまねぎ追加w)。去年の冬、私の日記には度々登場していただいている瀧田先生に連れて行っていただいたのがきっかけ。夏には息子氏も連れて行って大興奮。しめのお蕎麦がこれまた美味い。この時期しか食べられない猛者海老(関東には出回らない)もオススメ。米子にお越しの際は是非。

もうひとつ、境港の名物「づけ」と「じめ」もよき。夏の未来構想キャンプのときに地元のひとに教えてもらってハマった。市場で冷凍されている状態で買えるので、取り寄せたり送ってもらったりしている。今回は現地でまとめ買い。弊家では「づけ」の方はそのまま漬け丼として食べるけど、「じめ」はお茶漬けの素にしても美味しい。とくに、「鯛のじめ」は鯛茶漬けの素材として最強。練りごま(大さじ 1)、醤油(大さじ 2、弊家では甘口醤油)、みりん(小さじ 2)、お酒(小さじ 2)でごまだれを作り、昆布じめの鯛をくぐらせてごはんに乗せる。ぶぶあられときざみのりを散らし、熱々の出汁(できれば鯛のお出汁)をかければ最強の出汁茶漬けの完成。お好みで三つ葉とわさびもご一緒にどうぞ。

さてさて、さすがにネタ切れだったこともあって、なんともとりとめのない日記になってしまいました。ごめんなさい。今回、米子市と鳥取県庁を訪問した目的や諸々の詳細についても、現状まだお話しできないことも多いので、今後の続報を楽しみにお待ちいただければと思います。ではまた、次の日記で。

P.S.
「さばしゃぶ」と「づけ・じめ」、具体的なお店をここに書くのは憚られたので、気になった方は声をかけてください。こっそりと(略







高汐 一紀 大学院政策・メディア研究科委員長/環境情報学部教授 教員プロフィール