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2024.05.07

Keio SFC Summer Immersion Programの開催|政策・メディア研究科委員長補佐 野中 葉

留学生がSFCで1週間を過ごし、SFCのキャンパスライフを体験する「Keio SFC Summer Immersion Program(以下、SIP)」を2025年6月30日~7月7日に開催しました。 今年はインドネシアの大学から大学生10名が参加しました。

これまでにももちろん、SFCの教員や研究室は個別に国内外の教育機関とのネットワークを築いていますが、キャンパス全体の取り組みとして短期留学生を招聘するのは今回が初めてです。慶應全体としては三田キャンパスで、短期留学生のプログラムを開催しているとのことですが、言語教育や滞在型の施設が充実しているSFCでこそ短期プログラムの意義があるという期待から、今回のSFCでの実施に至りました。

特に、言語教育はSFCの大きな柱の一つで、各言語研究室が教室内外で様々な学びの場を提供しています。今回はインドネシアの学生の招聘でしたので、マレー・インドネシア語(以下、マイ語)研究室がホスト役を務める形でプログラムを実施しました。私は、マイ語研究室の責任者として、他の先生方やSAたちと一緒に本プログラムの企画や運営に携わりました。

期間中の1週間、参加者10人は、マレー・インドネシア語のクラスに数回参加し、履修者と交流しました。初級クラス(インテンシブ1)では、小グループでSFCの学生がインドネシア人学生をアテンドしながらキャンパスツアーを行いました。7月2日の夜には、SIP参加者とマイ語履修者、またGIGAのインドネシア人たちなど総勢100人近くが参加して、βドームでIndonesian Nightを開催しました。みんなでインドネシア料理を食べた後、SIPのインドネシア人学生たちは、インドネシア各地の民族衣装を身にまとい、伝統舞踊や遊びを披露しました。

SIPの参加者たちはSFCに特徴的な学びを体験する目的で、ヴ・レ・タオ・チ先生大木聖子先生の研究会に参加し、チ先生の研究会ではリスク管理に関するディスカッションを、大木先生の研究会では防災に関わるワークショップを体験しました。

このほか、各学生は、SFCに滞在する1週間で実施できるミニリサーチにも取り組みました。各自が事前にトピック設定し、SFCで学生たちにインタビューを実施してデータを集めて最終日にプレゼンテーションを行いました。週末には、七夕祭にも参加し、マイ語研究室が出店したインドネシア料理を提供するブースの周りで、お客さんの呼び込みの手伝いをしたり、土曜日夜には皆で一緒に花火を見たり、SFCの学生生活も満喫しました。

1週間のプログラム期間中、SIP参加者たち10人は、βヴィレッジ滞在棟2に滞在しました。マイ語SAたちも交代で宿泊し、寝食を共にする共同生活を体験し、双方にとってとても良い思い出になったようです。

SFCで実施するはじめての短期留学生プログラムで、色々と手探りではあったものの、収穫はとても大きかったと感じています。まず、参加したインドネシア人学生たちの満足度の高さを挙げたいと思います。プログラム終了後に実施したアンケートでは、10人全員がプログラムについて「とても満足」だったと答えています。自由記述では、「SAたちも先生方もとてもサポーティブで心から楽しむことができました。SFCの環境は素晴らしかったです」、「周りの友達にも勧めたいので、毎年開催されるプログラムになってほしいです」などの嬉しい記述もあり、SFCの良い宣伝になることは間違いないと感じました。

マイ語履修者たちにとっても、実際に同世代のインドネシア人と話し交流する機会を広く持てたことは貴重な経験となりました。自分が学ぶ言語でネイティブたちとどの程度会話ができるのか(出来ないのか)を知る良い機会になったと同時に、Indonesian Nightやその他の交流活動を通じて、インドネシアの文化や価値観に直接触れる機会を持てたことも、他では得られない有意義な時間だった思います。

さらに、本プログラムは、インドネシア語を学ぶ日本人とインドネシア人GIGA生たちがSAとして協働し、プログラムを作り盛り上げ、参加者をサポートし、SFCでの学びを伝える役割を担いました。日本人も外国人留学生も共に学びあうSFCだからこそ実現できたプログラムだったと感じています。

βヴィレッジでの滞在やイベント開催、研究会や言語の授業への参加、日本人学生とGIGA生が共に協働した言語研究室のSAによるサポートなど、SFCの人的、施設的リソースを存分に活用できたプログラムとなりました。いろいろな反省点や課題も見えてきましたが、改善点を探りながら、また来年度以降の実施も検討していきたいです。





GIGA: English-based BA Degree Program
野中 葉 大学院政策・メディア研究科委員長補佐/総合政策学部准教授 教員プロフィール