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2023.11.21

アプリを使ってカーボンニュートラル|環境情報学部長 一ノ瀬 友博

前回のおかしら日記で紹介したSFC万学博覧会が11月25日(土)〜26日(日)に開催される。そこではSFCの3学部、2研究科の研究成果が一堂に会する。またこれまでたびたび取り上げてきたSFCサステイナブルキャンパスプログラムのセッション、展示も予定されている。このプログラムでは、いくつものプロジェクトが並行して進められているが、万学博覧会の初日である11月25日から開始されるカーボンニュートラル実現のための行動変容プロジェクトを紹介しよう。

2050年までのカーボンニュートラルは全世界の共通目標である。産業革命以前から2100年までの平均気温上昇を1.5度に抑えるためには、2050年ではなくより迅速なカーボンニュートラルへの移行が求められている。様々な科学技術の発展がその実現に貢献することが期待されているが、私たちのライフスタイル自体を大きく変えていかなければとうていその目標を達成できない。そこで近年注目を集めているのが「行動変容」である。「使っていない部屋の照明を消そう」というような呼びかけが、これまでも政府からなされてきたし、SFCサステイナブルキャンパスプログラムの下でも、今夏、省エネのための「空き教室の冷房の消灯」を呼び掛けるポスターの掲示を行い、効果を観測した。このようにして、私たちの生活をカーボンニュートラルに向けて変えていくことである。

私たちがスタートさせる行動変容プロジェクトは、スマホのアプリを使って楽しみながら身体活動を増やし、移動の際の二酸化炭素排出を減らそうというものである。交通は全世界でも日本でも約2割の温室効果ガス発生源となっている。この2割という数字は産業部門に次ぐ割合である。そのうちの約半分が人を運ぶため、もう半分がものを運ぶために排出されている。プロジェクトの仕組みは簡単で、自動車や公共交通機関で移動する代わりに、徒歩や自転車で移動すれば、排出されなかった二酸化炭素の量だけポイントがたまる。たまったポイントはプレゼントと交換することができる。ただし、ウォーキングやランニングのように運動することが目的の移動はポイントの対象とならない。つまり、ある場所から別の場所への移動することが条件である。

このプロジェクトは、株式会社スタジオポビーが開発したアプリSPOBYを活用する。SFCの学生、生徒、教職員はもちろんのこと、地域の皆さんにも参加いただくことができる。気になるプレゼントだが、自転車、メンチカツバーガー、お楽しみ文具セットなど、SFC内外の事業者に提供いただける予定である。さらに詳しい仕組みは最後のURLにあるので、皆さんのスマホにアプリをインストールして、11月25日をお待ちいただきたい。2ヶ月間限定のプロジェクトなので、アクティブに移動してプレゼントをゲットしてほしい。

脱炭素化に向けた行動変容プロジェクト

プレスリリース:「慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)でサステイナブルキャンパスに関わる脱炭素化に向けた行動変容プロジェクトを開始」
SFC万学博覧会

一ノ瀬 友博 環境情報学部長/教授 教員プロフィール