ヒューマンセキュリティとコミュニケーション(HC)

 ヒューマンセキュリティとは、「脅威からの自由、欠乏からの自由」を内容とする人間の生活を指します。本プログラムでは、「共生」および異文化交流のダイナミックな文脈で、このためのさまざまな政策課題を取り上げ、同時に、ヒューマンセキュリティを促進・保全しようとする個人やコミュニティのあり方を検討します。多様な国家体制、発展段階の異なる経済社会、多様な言語・文化的背景、歴史的経験といった従来の枠を越えて展開される問題解決の営為を、個別研究に共通する課題として位置づけています。このプログラムは、1)開発政策、福祉政策、言語政策といったヒューマンセキュリティに関連する政策課題群と、表現、コミュニケーション、教育といった人間行為の規範的な領域に関わる問題群とが複雑に交錯する点に注目します。続いて、2)問題解決の営為が国家など公的な行政単位によって独占されるのではなく、国境を越える集団から多様な地域集団、世帯から個人の営為までを含めた人間の創造的な活動であることに注目します。こうした視野を前提に、3)人口減少という稀有の経験を目前にして新たな政策的イノベーションが要請される日本、膨大な人口を抱え、開発のさまざまな負荷を担いつつも活気あふれる東アジア・太平洋地域、域内統合の深化を外延的な拡大と連動させつつあるEUなどを具体的なフィールドとして取り上げていきます。

関連プロジェクト

  • 開発ネットワーク(JANP1)
  • 持続可能な開発
  • 現代社会文化論プロジェクト
  • ITと学習環境プロジェクト
  • 言語教育デザインプロジェクト
  • 近代社会研究
  • 評価プロジェクト

(参考)塾生HP:【SFC】履修案内・講義要綱・時間割>政策・メディア研究科>大学院プロジェクト科目 担当者・登録番号表(PDF)

Interview

 ヒューマンセキュリティの遠近法を考える

チェアパーソン 平高史也 教授

学生には、フィールドに出て行くときに何に注目するかを考え、フィールド内で問題を作ることから取り組んでほしいと思っています。たとえば地域の日本語学習支援を例に話すと、国や地方自治体で大きな予算を使って問題を解決していくというスケールで考えてしまいがちです。国の施策ももちろん重要なのですが、そういう国全体や大きな地域という発想だけで問題を見ようとすると、ほんとうに必要な支援とは何なのかという根本的な課題を見落としてしまうことになりかねません。実際に日本語支援が行われている現場に入ってみて、日本語を学んでいる外国人や彼らを支援する人たちが何を必要としているのか、彼らをとりまくネットワークがどう機能しているのか、それを束ねる人には何が求められるのかといった事柄を把握しないと、当事者に寄り添った支援を行うことはできません。普通、人は統計には現れない方法、記録としては残されないような方法で自分たちの生活をとらえています。たとえば、人と人の関係や人と地域の関係などは、記録にはなりにくいけれども、生活を基盤的なところで支えています。こういうところにも注目しながら、人間の生活とそれを支えるコミュニティにおきている問題や、そうした問題を解決していく方法について考えていくのが、HCプログラムの方針です。

メンバーリスト

2017年度9月現在
◎印はチェアパーソン

氏名 職位 専門分野
小熊 英二 教授 歴史社会学
國枝 孝弘 教授 フランス文学、フランス語教育
杉原 由美 准教授 日本語教育、エスノメソドロジー・会話分析、異文化間教育
高木 丈也 専任講師 朝鮮語学、社会言語学
ティースマイヤ, リン 教授 アジア農村開発, 開発論(東南アジア)、ジェンダー、 社会理論
西川 葉澄 専任講師 フランス文学、フランス語教育
氷上 正 教授 中国文学
平高 史也 教授 ドイツ語教育、日本語教育、 社会言語学
藤田 護 専任講師 ラテンアメリカ研究、開発の人類学、アイヌ語口承文学
宮代 康丈 准教授 政治哲学, フランス哲学・思想
藁谷 郁美 教授 ドイツ語、ドイツ文学、ドイツ語教授法

サブメンバー:

氏名 職位 専門分野
厳 網林 教授 地理情報科学、都市・地域環境、持続可能科学
神保 謙 准教授 国際安全保障論、アジア太平洋の安全保障、東アジア地域主義、日本の安全保障政策
田島 英一 教授 中国地域研究、中国市民社会論、公共宗教論、中国キリスト教系団体研究
野中 葉 専任講師 現代東南アジア研究(特にインドネシア)、現代社会と宗教、女性とイスラーム、マレー・インドネシア語教育
廣瀬 陽子 准教授 国際政治、紛争・平和研究、旧ソ連地域研究(特にコーカサス)
渡邊 頼純 教授 国際政治経済論、GATT・WTO法、欧州統合論

教員検索(教員プロフィール)

キャリア・資格等

就職先としては、国際機関、開発コンサルティング、地方自治体、民間シンクタンク、一般企業、ジャーナリズム、活字・視聴覚メディア、教育界などの業種が挙げられます。また、開発社会学、国際経済学、国際組織論、地域研究論、ヒューマンセキュリティ論、外国語教育、言語文化、コミュニケーションなどの研究者を育成します。

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