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総合政策学部・環境情報学部

総合政策学部・環境情報学部

学問分野の領域を超えて、現実の世界と向き合う
慶應義塾大学総合政策学部長 加茂 具樹

政策を考える。 そのための教育と研究に取り組む総合政策学部は、創設以来30年の実践をつうじて、確信していることが一つあります。それは、社会の秩序というものは変化するものであり、現実の世界に存在する問題を解決するための「政策を考える」学問も変化が求められる、ということです。いま、これまで当然とされていた価値観が流動しています。私たちが直面している問題の多くは、既存の解決方法を受け入れず、新しい思考を要求しています。

現実の世界に存在する問題は、いずれも領域横断的です。そうだとすれば、学際的な領域に踏み込む学問をつうじてこそ、政策を考える力を養うことができるのです。これまでの学問は、とにかく深く、深く究めていくことが重要でした。もちろん、物事を深く探求することは必要です。しかし、それだけでは問題の発見すら覚束ません。そもそも、今注目している問題が、本当の問題ではないかもしれないのです。政策を考えるとは、現実の世界と向き合うことです。

日本、そして世界を変えていく強い意志を持つ学生を育む

総合政策学部が取り扱う「政策」とは、政府が行うものだけではありません。英語のpolicyが企業の方策や個人の指針を指すように、政策は広く我々が現実と向き合う際に必要となるものです。そして、政策を考えるということは、単に問題を発見し、提言するだけではなく、主体的に、能動的に物事に取り組むことです。

私たちは、総合政策という学問をつうじて、未来を見通す展望力、状況を捉える分析力、政策を設計する構想力、政策の意義を訴える説得力、政策を実施する実行力とともに、それらの力を総合する力を備えた学生を育てるのです。

自ら実践し、日本、そして世界を変えていく意気込みを持つ学生の育成と、日本のみならず、グローバルな人的ネットワークの構築を総合政策学部は目指します。

不確実性の高い時代の先導者たらん
慶應義塾大学環境情報学部長 一ノ瀬 友博

環境情報学部が誕生した1990年から30年以上の月日が経ちました。環境情報学部では、開設当初からインターネットがインフラとして整備されていて、インターネットの技術開発、普及を牽引してきました。でも、30年後にほぼ一人一台の小型コンピュータ(スマホ)を持ち、SNSで瞬時に情報が世界を駆けめぐる時代が来るとは、先頭を走っていた先輩たちですら想像していなかったかもしれません。

2019年末から世界を席巻したCOVID-19は、私たちの生活を激変させました。近年私たちを取り巻く環境の変化は早く、予測が困難で不確実性が高くなっており、そのような状況をVUCA(volatility, uncertainty, complexity, ambiguityの頭文字をとった造語)と呼ぶようになっています。私たちはVUCAの時代を生きているのです。急激な温暖化や生物多様性喪失といった地球環境問題は私たちの将来に暗い影を落とす一方で、新たな技術は私たちが想像もしなかったことを実現します。

学問分野を横断した学びにより変化に対応できる力を

地球の長い歴史の中で、数々の生物は私たちの想像を超える環境変化の影響を受けてきました。生き残ってきた種あるいはその子孫は、弱肉強食という言葉に象徴されるような競争に打ち勝ってきたというよりは、環境の変化に柔軟に適応してきたのです。環境情報学部において養われる学びは、この変化に対応できる力だと考えています。私たちの考える環境情報学は、「環境」と「情報」という言葉に留まらず、先端情報システム、先端領域デザイン、先端生命科学、環境デザイン、人間環境科学という5つの分野から構成されている学際的な学問分野です。環境情報学部は、先を見通せない時代を生き抜き、未来を創造する先導者を生み出します。