3月23日、桜の蕾がほころび始めた日吉キャンパスにおいて、学位授与式・卒業式が執り行われました。健康マネジメント研究科では、修士課程31名、博士課程6名の修了生たちが、晴れて学位記を授与されました。
看護学、公衆衛生・スポーツ健康科学の2専攻、4学位プログラムを有する本研究科は、保健医療福祉分野をバックグラウンドとする学生は多いものの、スポーツ、マネジメント、コンサルテーション、金融、経済など、多種多様な背景を持つ学生が集まっています。一人ひとりが自身の歩みの中から見出した「リサーチクエスチョン」へのこだわりが、研究への強い原動力となり、論文という形に結実して、修了の日を迎えます。どの修了生代表の答辞を聞いても、彼らの入学の決意、研究科での学び、そして修了後の夢や期待が込められた「固有のストーリー」があり、私は毎年、彼らの答辞を大変興味深く拝聴しています。
大学院で学ぶ意義は、コースワークや研究活動にとどまらず、教員や仲間との関わりを通じて広がる「つながり」を自ら構築していくことにあると思います。多様な背景を持つ学生たちが集い、互いの専門性を尊重しながら「いのち」や「健康」を軸に、熱い議論を交わし、学び合う。こうした環境こそが、本研究科の魅力であり強みです。研究に取り組み、論文を書くという個人の取り組みを越えて、仲間との相互作用のなかで、「自分は何者であるのか」「私らしさとは何か」という問いに向き合い、アイデンティティを再構築する。そして教育を受けた者として社会にどう貢献できるかを考え、自らのキャリアを構想する。学位記を受け取る彼らの姿に無限の可能性を感じ、羨ましさと大きな期待を寄せながら、今年も桜のシーズンを迎えました。
さて、間もなく新学期が始まりますが、私にとって今年の春は少し趣が異なります。長年お世話になった恩師であり、上司でもある先生が、慶應義塾を去られるからです。もちろん、今後も引き続きご指導・ご支援をいただく気は満々ですが、「残される者」としての寂しさと、バトンを受け取る責任の重さをひしひしと感じています。このような心持ちで迎える春は初めてのことで、自分自身の感情に戸惑う、そんな春です。新たな志を持つ学生たちとの出会いを楽しみに、背筋を伸ばして、その日を待ちたいと思います。
