月日の流れは早く、気づけば今年ももう実りの秋を迎えた。今朝、近くの八百屋をのぞくと、各種の野菜や新米と共に、柿、梨、ぶどう、いちじく、栗など、多くの果物が店先に並べられており、まさに秋の豊かさを感じた。
近年では、スーパーマーケットに行けば、一年を通して、きれいにパック詰めされた果物が並んでいる。時には、真夏にもリンゴが、真冬にもスイカが見られるが、八百屋ではそうではない。そんな八百屋が大好きで、八百屋にはよく立ち寄る。何かを購入するわけでもなく、ウィンドウショッピングである。そこでは、つややかで、みずみずしい様子の、旬の食べ物を見ることができ、それだけで心が和む(本当のことを言えば、見るだけではなく、近くのケーキ屋さんのケーキを含め、ぜーんぶ食べたいところだが、この10月から健康マネジメント研究科の委員長に就任したので、まずは自分の健康管理のために、一つくらいにしておこうと思う。)
今朝の八百屋では、店員さんが、「今年は夏が暑かったので、ぶどうがとても甘くておいしいよ!」と声をかけていた。 確かに今年の夏は例年にも増して暑かった。帰宅して気象庁の報告を確認すると、6月から8月の日最高気温が35℃以上の猛暑日は、東京都(地点名:東京)・神奈川県(地点名:横浜)・千葉県(地点名:千葉)で、それぞれ25日、12日、8日、日最高気温30℃以上の真夏日は、それぞれ69日、67日、67日であった。数値だけを見ると、猛暑日の数は、東京が横浜の2倍以上、千葉の3倍以上であり、横浜や千葉と比べて、東京のほうが暑さが厳しいと言えるようでもある。9月以降のデータはまだ公表されていないが、残暑も厳しかった印象がある。通勤途中には朝から蝉の声を聞き、つい最近まで半袖姿の人も多く見かけた。そんな中で、今朝は八百屋の果物たちが秋の盛りを伝えてくれた。
私の幼少期には、自然の中で季節の変化を肌で感じることができた。この時期になると、山にはたくさんの、笹栗(山栗)という焦げ茶色の小さな栗の実や、濃い橙色の柿の実を見ることができた。また稲刈りを終えた田んぼには藁や脱穀後のもみ殻を燃やす光景が広がっていた。時には、田圃に立ち入り、落穂を火に近づけ、弾けさせ、爆米(はぜまい)を作り、口にしていた。私の研究室のメンバーは、都会育ちの人が多く、私の子どもの頃の話をすると、日本むかし話を聞くように、面白がって耳を傾けてくれる(まだまだ若いつもりであり、そんなに昔のことではないのだが)。
東京の自宅近くでは、小さな秋を見つけることも難しくなってきたが、季節としては、今がまさに秋の盛りである。健康マネジメント研究科では、毎年11月末ごろに修士論文の進捗報告会(修士学位論文審査会)が開催される。先週、担当の学生とともにこの発表会に向けた準備を始めた。今年の夏の暑さのような手厚い指導ができたかどうかはわからないが、学生の努力が実を結ぶのも楽しみである。
ということで、今回もとりとめもない日記でした。
