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2025.11.04

学部の魅力を高め、発信するために|看護医療学部長 永田 智子

私立看護系大学協会という組織があり、その中の大学運営・経営委員会では看護系大学の経営・運営の向上に向けた事業を実施しています。その一環として、先日「効果的な学生募集と私立大学における教育の質保証」と題するオンライン研修が実施され、最新の入試動向を踏まえた効果的な学生募集の在り方や、教育の質保証の考え方についての講演が行われました。学生募集に関するオンライン研修は昨年も行われており、その背景には、18歳人口の減少に加え、社会情勢の影響で看護系を含む保健医療系学部の募集倍率が低下傾向である中で、いかに看護系の学部を希望する学生を増やしていくかが、協会加入校の共通かつ喫緊の課題であるという現状があります。

進学に関する専門家からは、学生募集と教育の好循環を生み出すためには、学生の成長を定性的・定量的に可視化し、それを広報することにより、ステークホルダーに理解・納得してもらうことが重要という話がありました。その際、教育改善に向けた「目標設定、アセスメントプランの策定、学修成果の可視化、データの分析とそれに基づく議論、実際の改善」というPDCAサイクルのプロセスを含めて広報すること、つまり大学のどのような取り組みにより、学生がどのように成長したのかという点も広報することが重要とされました。また、その学部で学ぶことがどのような将来につながるのかを中高生やその保護者に具体的に示すことの重要性も改めて指摘されました。一方で、看護系の大学は、他の医療系学部と同じように指定規則などの制約がある中で、どのように各大学の個性を出していくかが課題であることにも言及されていました。

令和6年に改訂版が提示された看護学教育モデル・コア・カリキュラムにおいては、学修成果の可視化を目指した「コンピテンシー基盤型教育」が提示され、卒業時に到達を目指す資質・能力の具体的な項目数は756項目に及びます。また、卒後の臨床能力を担保するために、基礎教育の中でより実践的な看護教育を行うべきとされ、それに向けた取り組みも進められています。看護学教育として実施すべき内容がますます多様化・高度化・精緻化する中で、併せて大学としての特徴を出していくのは難しいチャレンジですが、本学部の強みを活かしたカリキュラムについて、知恵を絞って再検討したいと思います。また、全塾の認証評価に向けた取り組みと連動させながら教育改善に関するPDCAサイクルについても検討し、来年の学部開設25周年の記念事業を大いに活用して本学部の魅力を多くの方に発信していきたいと思います。

末筆ながら、10月から学部長を拝命し、多くの方々からご指導・ご支援をいただきつつ日々を過ごしております。学部の魅力をさらに高め、多くの方に届けられるよう努めてまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

永田 智子 看護医療学部長/教員プロフィール