以前おかしら日記で総合政策学部・環境情報学部の特別研究プロジェクトという授業について紹介したが(2022.9.6「特別研究プロジェクト」)、この夏季休暇には8月上旬に北海道の大雪山において実施した。前に紹介したときはコロナ明けでようやく宿泊を伴ったものが認めるられるようになった2022年の夏であった。当時は密を避けるために、私を含めて7名のみの参加者であったが、今回は履修者と同行した院生を含め総勢18名という大所帯となった。
大型バスをチャーターして主に旭岳の麓を中心にあちこち回ったが、比較的アクセスがしやすい旭岳にも登ってきた。私が企画する特別研究プロジェクトでは、学生が個人かグループで自分のテーマを設定し、現地を訪問中にそれぞれ調査を行う。哺乳類や昆虫を見るためには夜間に調査が必要な場合もあるし、鳥類ならば早朝が適している。現地でそれぞれ生き物を探しに行くことも多いのだが、今回はヒグマの生息地ということもあり、必ずグループで行動し、夜間と早朝の調査は断念せざるを得なかった。
8月上旬という時期は、高山植物の花を楽しむにはぎりぎりのタイミングであるはずだったが、今年は北海道も猛暑に見舞われていたためか、旭岳の姿見の池一帯ではもうワタスゲも見られなかった。是非観察したいと学生たちから声が挙がっていたエゾナキウサギ、エゾモモンガ、エゾライチョウのうち、エゾナキウサギだけは学生が観察することができた。他の2種は次の機会のお楽しみである。限られた滞在期間で珍しい生きものたちに会うのはそう簡単ではない。
私は晴れ男を自負しているのだが、今回はあいにくの天気で特に羽衣の滝を訪れた際には大雨に見舞われた。旭岳に登ったときは、昼過ぎまではガスがかかりながらもたまに晴れ間が見える天気であったが、最後に下山する際にはまたしても雨だった。もちろんメンバーは雨に備えた装備をしてきているので、活動することに支障はないが、ゆっくり生き物を観察している余裕はないし、そもそも生きものたちも出てこない。もっとも、特別研究プロジェクトの行程を終了し、一部の学生と今度は黒岳に登ったが、その日は素晴らしい晴天で黒岳の頂上からは旭岳はじめ、大雪山の山々が一望できた。どうやら前半には強烈な雨男か雨女がいたようだ。
さて、学部長や研究科委員長は任期が2年間で、私は9月末までの任期である。今期最後のおかしら日記となったが、この2年間読んでいただいた皆さんにお礼申し上げたい。