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2020.06.02

発掘される自分|環境情報学部長 脇田 玲

オンライン講義の一部にYoutube Liveをつかっている。YoutubeGoogleのサービスなので、まずはGoogleアカウントをつくる必要がある。4月に職場のメールアドレスでアカウントを取得しようとしたところ、「そのメールアドレスはすでに使われています」とのメッセージがでてきた。

「あれ、おかしいな?」人のメールアドレスを勝手に使うとは迷惑な人もいるものだ。イライラしながら画面を眺めていると「パスワードを再設定する」というリンクが小さな文字で表示されていた。そこから再設定の手続きをして、自分のメールアドレスに送られてきたURLからなんとかGoogleにログインできた。人のメールアドレスでアカウントを作るとはどんなならず者なのか、確かめてやろうと思った。

そこで、私は気がついたのだった。

このアカウントは私が15年前につくったものだった。15年間まったくログインされることなく、ネット空間の奥底にひっそりと、その存在を忘れ去られていたのだ。2006年のウェブ履歴が残っていた。

「プログラミング」と「車」。15年前の私はそればかり検索していた。プログラミングに関しては「MFC」というキーワードが残っているので、当時はまだWindowsも使っていたのかもしれない。その辺りの記憶はもう曖昧だ。

そんな話を嫁にしたら「今とほとんど変わらないじゃない」といわれた。

もし、15年間おなじアカウントを使い続けていたら、どれほどの検索データをGoogleに提供することになるのだろうか。

その情報をもとに、どんな情報が私にプッシュされるのだろうか。どんな商品がリコメンドされるのだろうか。

ちなみに、一番最近気になったリコメンデーションは、Facebookに表示されるAmazonのおすすめ商品だった。

道路に設置されているオレンジ色の大きなカーブミラー。支柱までついている。


脇田玲 環境情報学部長/教授 教員プロフィール