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Magazine
2011.10.12

韓国とSFCと私

SFCスピリッツ

韓国とSFCと私

江口 由貴子さん
在韓国日本大使館 専門調査員
2007年総合政策学部卒業、2009年政策・メディア研究科修士課程修了

現在私は、ソウルの在韓国日本大使館で専門調査員として政治部に所属し、特に韓国内政を担当しています。SFCでの専攻と延世大学(及び大学院)への留学を通じて身につけた語学と地域研究という専門性を生かし、外交の難しさや醍醐味に触れる業務に関わる機会に恵まれました。

SFCを選んだ理由。それは、①「朝鮮半島の地域研究をしたい」という漠然とした問題意識、②自分の関心分野だけでなく、他の分野を専門とする仲間との横のつながりを活用できるという二つの理由からです。予想通りSFCは私の知的好奇心を満たすのに十分な「わくわく」を与えてくれました。と同時に、全国から集まった優秀でアクティブな仲間との出会いに入学当時若干戸惑ったのも事実。学部では、語学のみならず、韓国の政治構造・経済・社会文化を総合的に学習し、延世大学に1年間留学。その後政策・メディア研究科に進学し、日韓の歴史と政治についてより深い研究に取り組む過程で、SFCが延世大学大学院と締結したダブルディグリー制度も活用しました。

高校3年の時点で将来のビジョンが明確に決まっている人はむしろ少数です。大学という場は、自分の研究軸が決定している人、漠然とでも分野が定まっている人、在学中に模索する人、入学後に人生が180度変わる人など様々です。SFCはそれぞれに対応可能な環境であると思います。そんな学部が実在するのか?と思われるかもしれません。 なぜなら。SFCは知識と実力を鍛える場であるのみならず、人間力を育てる環境であるからです。私がSFCで学んだ人間力というのは、①対人コミュニケーション能力、②問題の本質を見極め、それに対する解決策を模索する力です。日々の業務においても、この人間力は非常に重要で。 SFCでは、必ずしも1+1=2でなければならない理由はないのです。1+1+αで新たな知を生みだしたなら、そこに意味を見出します。これが前述した、私がSFCを選んだ二点目の理由に通ずるのであり、異なる分野の融合によって新しいものを生み出す楽しさがあるのです。

色々述べましたが、最も重要かつ基本的なことは、本人の意欲とやる気です。そしてその意欲がある限り、SFCはそれを最大限に生かせる環境を整えており、優秀な教授陣と同志がそれをサポートしてくれる「場」であるということです。かくいう私自身、SFCを卒業して2年ですが、まだまだ人生の旅の途中です、SFCで鍛えたスピリッツと経験をもとに。

江口由貴子さん
大統領府(青瓦台)前にて

(掲載日:2011/10/12)