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2005.02.10

新設学部・大学院研究科入試雑感|吉野肇一(看護医療学部長)

今は,各種入試シーズン。僕は,このところ新設の1学部・1大学院研究科の入試に深く関与したので,今回はそれらの雑感を書く。

1 看護医療学部について

2001.4に開設された本学部における第1回目の一般入試は2001年初頭に行われた。最初の心配は受験生が,塾大学の第9番目の学部として恥ずかしくないくらいに応募してくれるかであった。それは,「看護医療」という用語がこの方面ではじめて使われたこと,関連する塾大学病院から遠く離れていることなどによる心配であった。幸い,この心配は杞憂に終わった。というのは,倍率が27倍強という,初回ご祝儀(慶應ブランド,偏差値不明など)ということもあったとしても,すばらしいものであった。同時に嬉しかったことは,内部進学者が1割強と満足すべきものであったことである。というのは,このようなときに,塾内進学がきわめて少ないと,学部長として何となく肩身が狭いから。いずれにせよ,前述の27倍ということで,次年度入試時に示された予備校による合格ラインの偏差値は非常に高く,当然,私立看護系4年制大学ではダントツのトップとなった。そのため,受験生から敬遠されて,年々,倍率が落ち,今週末から始まるH.17年度は9.1倍となって,塾全体の10.8倍を初めて下回ってしまった。とはいえ,学部間で最下位ではないので「ホッ」。また,偏差値も,相変わらず高い。

本学部の入試に関するもう一つの特長は,その種類の多さで,何か一年中,入試をしていると感じさせられる。上述の,最大ともいえる入試が終わり,オリエンで明け暮れる春学期が無事に済んで夏休みとなる。それが終らない9月上旬には,学士を対象とした2年編入と, 3年制看護系短大出身者を対象とする3年編入の入試,それらがすべて,筆記による1次試験とその1週間後の2次面接試験で,土日はつぶれ,手帳がいっぱいになる。筆記試験それぞれに,毎年,質の高い設問を作成しなければならない。実は,これでは終らない。SFC入試の売りの一つ,自己PR 型入試であるAO (admissions office) 入試が,2・3年編入入試のほとぼりが冷めない10月から始まる。AO入試の1次は提出書類等による選考で,かって総・環であったといわれるトラック一杯分というような提出物にはいまだ出会ってはいないが,その整理・評価には多大の人的・物理的負担がかかる。このAO入試業務が済むとすぐに師走となってしまい,明春の一般入試準備に入らなければならない。さらに,今年春は,次に述べる新大学院:健康マネジメント研究科の入試も加わった。

2 大学院健康マネジメント研究科

上述の看護医療学部最初の卒業生誕生に合わせ,塾大学大学院として11番目にこの4月にスタートする健康マネジメント研究科の入試が今月初めから始まり,今朝その発表がSFCで行われる。この,最初の一連の話は,全くもって最初に述べた看護医療学部と一致する。「健康マネジメント」という用語,さらには,その中身である専修名の「医療マネジメント」,「スポーツマネジメント」など,本邦初ないし斬新なものであるので,これまた,受験生が入学定員の40名に達してくれるかという心配である。これもふたを開けてみると115名と2.9倍となり,塾大学大学院入試倍率の平均を超えることができた。これまた,大きな「ホッ」である。この大学院入試のほうは,今のところ年1回なので助かるというのが,実感。

3 ほんとの雑感

このような大変な業務をこなしてくれている入試委員・事務・試験官・試験監督の諸君よ,本当にありがとう。おかげで,ここまで無事で来れました。サー,今週末からは,学部一般入試。よろしく頼みます。

蛇足:それにしても昨夜のサッカーW杯北朝鮮戦は危なかったナー。それだけに最後の最後のロスタイムでの勝利は,日本列島を歓喜で激震させた。大地震,大津波,轢き逃げによる多数同時死などなど暗いニュースの中の嬉しい閃光。(了)

(掲載日:2005/02/10)

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