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2007.04.05

おかしらの定番:ゆったりとした昔の時間の流れ

私のこだわりはカメラです。デジタルカメラが席巻してしまった今、暗室にこもってフィルム手現像、プリントをしています。自宅の一つのトイレを暗室にし、家族からの非難を浴びながらもこだわっています。定着液に印画紙を入れ、しばらく経ってくると赤ランプの暗室の中で少しずつ絵が浮き上がってくる様子は何とも云えない気分となります。一流の写真家になったようです。もちろん白黒写真です。

白黒写真を撮るようになったのは、ライカというドイツのカメラがきっかけでした。レインジファインダーカメラの最高峰です。私の患者さんでカメラ好きがおられ、ある日「先生、もしカメラが好きならばこのカメラ使ってみませんか」といって、おもむろにバックスキンに包まれた銀色に光るカメラを出してこられたのです。今云うクラシックカメラです。1948年に製造されたバルナックタイプのIIIFという、私が生まれる前のカメラでした。シャッターを切ったときの感触、音は何とも云えませんでした。瞬く間に虜になってしまいました。お借りしたカメラで白黒写真を撮り、その写真をみると昔の時代に戻った気がします。非常に懐かしい感覚です。

私が子ども時代に育った感覚は今でも忘れない訳ですが、先日、映画で観た「ALWAYS 三丁目の夕日」がまさしくそれでした。ゆったりとした時間の流れを懐かしく、また現在の生活の中で似た時間を取り戻す事ができるよう、カメラにはこだわっています。

(掲載日:2007/04/05)

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