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2008.04.24

こだわりの文房具|大西祥平(健康マネジメント研究科委員長)

私は非常に移り気で、物、とくに文房具を長く大切に使用したということはありませんでした。ただ、昔を振り返ってみますと小学生時代、筆箱には異常なこだわりがありました。何故かと聞かれると返事に窮するのですが、皆が持っていない物という極めてエゴ丸出しの少年でありました。今もそうですが。

文房具ではありませんが、大切にした物ももちろんあります。中学1年生の時にNHKの教育テレビで放映された安部保夫先生のギター教室の番組のなかで「アルハンブラの思いで」を聞き、それまでのピアノから転向を決意しました。そして母に、昭和40年の時の貨幣価値はどうだったか定かではありませんが、2万円のクラシカルギターを無理に言って買ってもらいました。このギターで毎日の様に練習し高校では演奏会を開きました。そして、今でも私の手元にあります。現役です。しかし、練習のし過ぎだったのでしょうか、手首の腱鞘炎を引き起こし、手術までもしたのですが、痛みが生じるため15分以上は続けて演奏することが出来なくなりました。

文房具として、今私がこだわっているのに一つあります。万年筆です。高価な物ではありませんが、縦書きの原稿用紙に向かって字を書くこと、これは自分の気持ちを素直に表現できる時間を提供してくれていると感じています。ワープロ全盛ではあり、その方が書く時間も短く、修正も便利であり、良いこと尽くめのようですが、ゆったりとした時間を味わいながら物を考えるには最適だと思っています。

(掲載日:2008/04/24)

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