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2008.06.13

凧揚げ大会とICT成長力懇談会|徳田英幸(環境情報学部長)

5月17日、地元の方々とともに、藤沢中高のグランドにて、記念すべき慶應遠藤凧の会(仮称)主催の第1回凧揚げ大会を開催した。当日は、「総合政策学の創造」と「環境情報学の創造」を受講している1年生諸君たちに参加してもらい、凧の作り方や揚げ方について教えて頂いた。もともと遠藤地区では、多くの方が凧を揚げていたということである。1年生数人がトライし、いくつか小さな凧はある程度揚げることができたが、本命の大きな凧は残念ながら風が無く揚げることができなかった。来年は、自分たちの凧を作って再チャレンジということになった。

5月19日からは、学生たちとSydneyで開催されたPervasive2008というユビキタスコンピューティングに関する国際会議に参加した。我々の研究グループからは、デモセッションで3件とビデオセッションで1件と計4件の発表をしてもらった。すべてのデモセッション、ビデオセッション、ポスターセッションの発表者が一列にならび、1分間の呼び込み発表を次々に行う「One Minute Madness」が、例年通り行われた。最先端の研究成果を聞くテクニカルセッションも大切だが、この「One Minute Madness」や「Two Minutes Madness」が、学生たちの発表能力を鍛える大変良い機会となっている。日本の大学生や大学院生の英語によるプレゼンテーションレベルももちろん高くなってきていると思うが、発表のうまい人にはやはりゆとりがあり、ウィットがある。ただ、がむしゃらに自分の研究を発表しているだけでは、ひとつ上の発表にとどかない。

凧揚げ大会の様子

さて、お題であるが、今回は「フリー」とのことなので、私が今年2月からお手伝いしている総務省の「ICT成長力懇談会」 の話題に触れることにする。この懇談会は世界最先端のICT(Information and Communication Technology)インフラを活用することによって、安心・安全かつ便利で豊かな社会を実現し、日本の競争力向上や国際貢献に結実させることを目的として、その方策を幅広い見地から戦略的に検討するために、総務省が設置した会である。政策・メディア研究科に特別招聘教授として来て頂いている(株)野村総合研究所シニア・フェローの村上輝康を座長に、計11名の構成員からなっている。どの時代からメンバーを「構成員」と呼ぶようになったかは知らないが、「構成員」のひびきは微妙である。日本のICTインフラの整備は、世界でもトップレベルになっているにもかかわらず、その利活用がまだまだ進展していない現状を打破し、日本の成長力や競争力向上に役立つにはどうしたらよいかを議論している。毎回、いろいろなメンバーが、いろいろな視点から、いろいろなことを議論している。興味がある方は、議事録をご覧いただきたい。また、11名の構成員たちによるリレーコラム もある。

私の担当はまだであるが、福澤先生の「一身独立して一国独立す」という言葉をベースに「一身のパワーアップなくして一国のパワーアップなし」というお題でコラムを書くことにした。もちろん国レベルの政策も重要なのは充分承知しているが、一人一人のICTリテラシー向上無くしては、どんなに高度なインフラが整備されても、利活用はすすまないし、国の成長力アップへとは続かないと思っている。また、以前のおかしら日記に書いたネットワークロボットのように、技術のイノベーションだけでは、社会を進化させるイノベーションには、なかなか発展していけないと思っている。ちなみに、現行の道路交通法のままでは、ロボットは公道には出れない。福岡市と北九州市で行っているロボット特区(ロボット開発・実証実験特区)などの経験を踏まえて、いろいろな社会制度の改革に対してもイノベーションが必要であり、技術と社会制度が両輪となったイノベーションが必須であると考えている。
この2つのイノベーションを起こすポテンシャルを持ち、深く議論できるSFCの役割はますます重要になってきていると思っている。

(掲載日:2008/06/13)

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