MENU
Magazine
2009.10.08

ふりだしにもどって夢|村井純(環境情報学部長)

SFC創設の準備段階から含めて20余年、思えば、私の人生の三分の一以上(半分って言いたいけど、そうでもないや)をすでにSFCで過ごし、そのSFC環境情報学部の学部長になりましたので、改めて、SFCよろしくお願いします。

ところで、最近の4年間は慶應義塾常任理事として過ごしました。二つのことを感じています。ひとつは、慶應義塾全体を改めて学び、知ることができたこと。もうひとつは、ちょっと浦島太郎状態になっていて、SFCが極めて新鮮に感じられることです。慶應義塾が150年を迎えるときに常任理事で、SFCが20周年を迎えるときに学部長というのは、とても幸運な巡り合わせで、SFCの3rd Decadeのスタートに新鮮に取り組めるのもそんな背景があるからです。

慶應義塾のコアは創立の理念であることは言うまでもありません。実は私は信濃町で生まれたので、文字通り生まれた時から慶應義塾のお世話になっているわけですが、常任理事時代はいろいろな意味で創立者福澤先生について、その理念を学ぶ機会となりました。また、他の大学と義塾を比較する機会も多かった。そんな経験の中で慶應義塾が改めてすごいと思ったのは、福澤先生や創立の理念にいつでも立ち返って課題に取り組むあらゆる面での基本的な姿勢が、教職員や塾員の方々に根付き、支えていることです。立ち返れる創立の人や理念があることは、限りなく強く、幸せなことだと何度も思いました。

SFCは20年になりますが、SFCもまた、さまざまな挑戦を経て創設されました。そして、加藤先生、相磯先生をはじめとする創設者たちの思いと情熱がこのキャンパスをスタートさせ、私たちはSFCとしていつもここに立ち返ることができます。これも強く幸せなことです。また、20年の歴史は、頼もしくたくましい。加藤先生のお言葉通り「ミネルバの森(=SFC)」から飛び立った「ミネルバの梟(=卒業生)」達が、本当に暗闇の日本と世界に光を与え始めています!

つかみどころが難しいとよく言われるSFCですが、私はちっともそうは思っていません。立ち戻れる創立の理念に恵まれた大学、創設者の理念に恵まれたキャンパス、そして、形になって羽ばたいている卒業生たちがきっちりそろって、はっきりとした力強く新しい出発ができるのです。

(掲載日:2009/10/08)