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コロナ禍もチャンスになるSFC

創造力を後押しする唯一無二の場所

加藤 陸 Riku Kato
学部:環境情報学部2年
出身校:鳳凰高等学校(鹿児島県)

現実と仮想を行き来するモノづくり

いちばん古い記憶では、3歳ぐらいからレゴブロックで遊んでいました。誕生日プレゼントは、高校生までずっとレゴブロックです。中学時代にMinecraft(マインクラフト)と出会い、高校から3Dプリンタも使い始めました。実世界で制作するレゴブロックとは異なり、デジタルには無限に造れる楽しさを感じました。ゲームを進めながら、新しい能力を獲得していく世界観も魅力。3Dプリンタなどのテクノロジーを通じて、現実と仮想を行き来できたら面白そうだと考えるようになりました。

バランスよく独創性を磨ける環境

志望校のオープンキャンパスを訪ね歩きながら、「ここで学生生活を送れたら楽しそう」と確信したのがSFCです。模擬講義を聞いて研究会に憧れ、「こんな大学生になりたい」と思える先輩にも出会いました。自分と似たタイプの人が多いので、関心の範囲をさらに広げて、専門性も飛躍させられる場所だと直感しました。
入学後は、Open Research Forumで感銘を受けた田中浩也研究会に所属。エンジニアリングのスキルを精巧に高めていく一方で、それをうまく使いながら人の役に立つものを作ったり、最先端のデザインを取り入れたりするバランス感覚が気に入っていて、とてもめぐまれた環境だと感じています。

ゲーム感覚で現実の街を変える

共同研究プロジェクトで「Machicadシステム1 の作成に取り組んでいます。これは3Dプリントしたオブジェクトによって、街の人々の意見や要望を実現する無料ウェブサービス。ボクセル空間と呼ばれる直方体ブロックで現実の街を表現し、誰でも簡単な操作で街づくりに参加できます。休憩スペースや遊び場など、住民が自由に作成したデータはメンバーが出力します。田中研には家具レベルのサイズを出力できる大型プリンタがあるので、みんながデジタル空間で創ったオブジェクトを街中に設置できるのです。
プロジェクトをすすめるうちに、新しい意味合いも加わってきました。現実の立体空間(街)をスキャンしたデータから、「Machicad」のなかにミラーワールドを創る方向性です。現実世界とミラーワールドを行き来しながら、さまざまな相互作用を起こして街づくりに役立てようと考えています。

コロナ禍もチャンスになるSFC

2020年は、SFCのビッグイベントである七夕祭をオンラインで開催することになりました。オンラインイベントといえば映像配信が中心になりがちですが、そこに相互的な関わりが生まれる新形態を目指して意見を出し合いました。キャンパスを3Dデータ化したバーチャル空間を公開し、屋台、催し物、花火など、お楽しみ企画も実装。さまざまな技術的制約を乗り越えながら、来場者7千人のアバターが交流するイベントを開催できました。
パンデミックの時期で、大学には行けなくなったものの、周囲の人たちはオンラインで新しいアクションを起こしたり、頑張って面白い空間を作ったりしながらコミュニティの存続に取り組んでいます。研究会の活動も自宅にいながらも、毎日の試行錯誤で充実していたから退屈はありませんでした。コロナ禍は、新しい創造の機会も創出しています。

クリエイティブな人には恵まれた環境

研究室の先輩は、技術、思想、研究のあらゆる面で尊敬できる人ばかり。どんな方向性でも、必ず誰か頼りになる先駆者がいます。そんな先輩方と雑談するだけで得られることも多く、活動のモチベーションになっています。専門機材を幅広く使用できることも、SFCの大きなメリット。他研究室との交流も活発で、関連分野の教授から有意義なフィードバックをもらえます。外部企業との共同研究も盛んなので、自力では不可能な社会実装にも道が開けてきます。

スキルを共有して継承するカルチャー

研究会以外に、A&T(Art and Technology)というサークルに所属しています。ここでも上級生が下級生に付きっきりでモノづくりのサポートをするのが伝統。SFCではいつも個人や少人数でのプロジェクトが同時進行しており、その中で築き上げた知識やスキルはチームの枠を越えて研究会レベルで共有されます。大切な知恵を継承していく意識が、学内全体に根付いているのです。
実際に手を動かすことで、新しい知識が得られます。何でもやりたがる性格なので、もっと面白いものが作れるように経験を積んでいきたい。SFCだからこそ知り得た世界の広がりは、想像をはるかに超えています。

1 共同研究メンバー:矢崎友佳子(環境情報学部3年)、有田悠作(環境情報学部2年)、守矢拓海(大学院政策・メディア研究科 研究員(非常勤))