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地域の価値を見出し、カタチにする

地域の価値を見出し、カタチにする

我妻 里莉 Wagatsuma Riri
学部:総合政策学部2年
出身校:九里学園高等学校(山形県)

地元の素晴らしさに気づく

高校1年生の時、授業のフィールドワークで訪れた山形県高畠町の有機農家さんで、初めて有機農法で作られた土のぬくもりや香りに触れ、有機野菜の素晴らしさに衝撃を受けました。1年後に再訪すると、農家の方々が私の顔を覚えてくれており、「おかえり」と笑顔で迎えてくれたことに驚きました。心温かい人たち、体にやさしくおいしい野菜...、地元には何もないと思っていた私は、こんなにかけがえのないものが身近にあったことに気が付いたのです。
高畠町では「ゲンキナ」という珍しい野菜が栽培されています。夏の時期にたくさん収穫できるのですが、消費量が追いつがず、多くを捨ててしまうのです。農家の方々が「もったいないよね」と口々に言っているのを耳にして、何か恩返しができないかと強く思ったのですが、どうすればいいのか分かりませんでした。
そこで、高校の先生に相談してみると、「ゲンキナを使った商品を作ってみるのはどうだろう?」という提案をしてくれました。この時、"恩返し"という課題に対して、自分なりの結論が出ました。それは、「ゲンキナの商品化を実現し、高畠町の温かさや有機野菜のおいしさを伝えること」でした。
そこからは、高畠町役場の方々や有機農家さん、食品加工会社を巻き込み、協働しながら商品化を進めていきました。

「なりたい大人」のモデルはSFCにあった

高校2年生の冬、「マイプロジェクトアワード」へのエントリーを先生から薦められました。「マイプロジェクトアワード」は、自分の思いや考えを形にした高校生のプレゼンテーションの場です。
まずは「山形県summit」という予選に参加し、高畠町のプロジェクトについて発表、運よく「全国summit」への進出を果たしました。しかし、全国summit最終選考で投げかけられた「どうして人を巻き込むことができたの?」という質問に対して、うまく答えることができませんでした。「なんでもやってみる」という情熱と行動力は醸成されていたのですが、この問いによって、成果に関する「客観的な分析」ができていない自分に気づいたのです。結果的に、「ベストコ・クリエーション賞」を受賞することができたのですが、質問に対する明確な答えが自分の中になかったことに納得がいきませんでした。
「『巻き込む力』はこれからも絶対必要。その理由がわかっていなければ、他のプロジェクトに派生できない、どうしよう...」。そう悩むうちに、そもそも、なぜこのような質問を投げかけることができるのかという疑問が湧いてきました。そのとき、この質問をしてくださったマイプロジェクト実行委員長の鈴木寛先生がSFCで教鞭を取っていらっしゃったこと、マイプロジェクトを運営されている認定NPO法人カタリバ代表理事の今村久美さんがSFCの卒業生だということを知りました。
「先生たちのような大人になりたい。そのためにはSFCに入ればいいんだ!」と単純に思ったことがSFCを目指すきっかけになったのですが、SFCについて調べるほど憧れは大きくなっていき、私のやりたいことはSFCでしかできない、という確信に変わっていきました。

地域の問題を解決する元気プロジェクト

SFCに入ると決めた頃から、自分の地元以外の場所で地域づくりに携わることで、より広い視点で地域の課題や可能性を見つけられるようになりたいと思っていました。そのため、1年生の秋学期から飯盛義徳研究会に所属しました。
飯盛義徳研究会が全国で展開する「元気プロジェクト」とは、学生が地域の人たちと一緒になって、地域が直面する問題を発見し、解決策を提案して実行する"地域を元気にするプロジェクト"です。
私は現在、「スローシティプロジェクト」の一員として、また、千葉県香取市佐原の「佐原元気プロジェクト」のリーダーとして活動しており、「スローシティが住民に与える価値」「有機農業を通じた食育の効果」を主な研究テーマとしています。
佐原元気プロジェクトでは企業とも連携しており、企業が持つスピード感や先進的な方法に刺激を受けながら、自由度の高い環境で模索できることにとてもワクワクした気持ちで活動しています。
今、私の中には、地域の魅力を伝えていく具体的な方法を学びたいという気持ちがあります。たとえ素晴らしい地域資源を商品化したとしても、魅力を感じてもらうには見せ方や伝え方が重要です。そこで、研究だけでなく、インターンシップなどで広報の仕事にも関わることで、写真の撮り方やデザイン、キャッチコピー、マーケティングなどを実践的に学んでいます。地域の魅力をより多くの人に伝わるよう、これらの知識や技術を研究にフィードバックしながら実践に役立てたいと考えています。

将来は地元に恩返しがしたい

今後の目標は、佐原元気プロジェクトで地域が自走できる仕組みを作ることです。発足して間もないプロジェクトですが、佐原の豊かな食文化や美しい街並み、伝統的な祭りなど、たくさんの魅力を感じています。地域の人々の心の拠り所になるような、佐原の特色を活かしたプラットフォームを構築したいと思います。
私の活動の原点である高畠町を含めた地元に恩返しをしたいという気持ちは今もまったく変わりません。将来は、自分が見出した地域の価値を事業化し、その魅力をより多くの人にアピールすることで、地元に貢献したいと考えています。そして、SFCや地域の人々から学んだ多くのことを、今度は私が子どもたちに伝えたい。そのためには大きなビジョンを持って、今の学びをもっと横に拡大させながら、日々成長していきたいです。