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キャンパスライフ

障害を持つアスリートだから気づけたこと

池田 ブライアン 雅貴 Masaki Brian Ikeda
学部:総合政策学部2年
出身校:東京学館新潟高等学校(新潟県)

私が目指すものは、聴覚障害者アスリートの運動能力の向上と活性化です。
私は聴覚に障害があるため、幼少期はろう学校に通い、その後、一般の学校へ進学しました。個人差はありますが、聴覚障害者は、聴力だけではなく内耳の障害の影響で、バランスを保つ平衡感覚が悪い場合もあり、運動面で健聴者に劣る部分もあります。さらに聴覚障がい児は、幼少期から言語習得をするために、膨大な時間がかかります。運動神経の基礎となる時期と、言語習得の時期が重なるため、遊びやスポーツ、体育教育に割ける時間が少なく、幼少期の運動能力の重要性があまり重要視されていないからではないか、と自らの経験を踏まえて感じました。
それらのことを少しでも改善できたらと、数ある教育機関の中からSFCを選んだのは、障がい者スポーツを通して様々な分野や色々な角度からこの問題の解決を図るために、研究ができる場所はここしかないという強い思いがあったから。SFCには障がいを強みにできる環境があり、将来の夢に近付ける場所だと考えました。
入学直後に「スポーツコミュニケーション」という講義を履修したことがきっかけで、すぐに東海林祐子研究会に所属しました。たくさんの先輩がスポーツに関わる研究をしており、障がい者に関する研究もすでに行われていました。
私の研究スタイルは、部屋に篭り日々研究というばかりではありません。現在、慶應義塾大学体育会競走部と日本聴覚障がい者陸上競技協会に所属しています。個人では世界ろうジュニア記録、日本ろう記録を更新するタイムを持っており、競技者として自らの経験も研究材料にしています。2016年の世界ろう者陸上競技選手権大会では、4×400mリレーで銀メダルを、また2017年夏季デフリンピック競技大会サムスン2017では、4×400mリレーで5位に入賞しています。
世界の強豪国を相手に、決勝の舞台で競い合うのはとても貴重な経験でした。また世界のトップアスリートと交流し、情報交換できる絶好の研究の場でもありました。次は、2019年にエストニアで開催される世界室内陸上競技選手権大会です。更に上位を目指すとともに、強豪国のトップアスリートの生の声を聴覚障がい児の体力や、運動能力の向上を図る運動プログラムを考案するために生かしたいと思います。
部活動中心だった高校時代とは違い、大学では研究活動と競技、海外遠征と多忙ですが、両立するためにメリハリのある時間の使い方を心掛けています。

障がい児の運動能力向上が目標

SFCの環境やサポート体制には、とても満足しています。教員をはじめ、周りの学生もみな障がいについて理解し、支援をしてくれるので、授業や試験で不自由を感じたことはありません。
聴覚障がい者スポーツを活性化するための第一段階として、まずは聴覚障がい児がスポーツに興味を持ち、楽しみながら基礎体力を向上させることが必要です。運動プログラムを通してこどもたちに興味を持ってもらい、運動能力を向上させる事例を作り出したいと考えています。そこから将来、聴覚障がい者アスリートが生まれ、世界で活躍できるようになれば、それが活性化につながり、聴覚障害者アスリートの環境改善も実現できるのではと考えています。
SFCは、最先端の学問を学び、自ら問題解決を図る能力を育てることができる場所。常に問題意識を持つことから始め、今後は、様々な学びを通して、障がい者に関わる問題の本質を見極めながら、実践を通して解決に導いていきたいと思います。
障がいは個性のひとつです。障がいを弱みではなく逆に強みに。SFCは、自分の努力次第で無限に成長できる場所です。

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