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「感情表現ロボット」を身体に障がいを持つ人の
コミュニケーションに役立てたい

樫井 亜依 Ai Kashii
学部:環境情報学部 4年
出身校:Adlai E. Stevenson High School(米国)

研究テーマは「人間の日常生活に役立つ社交的なロボットシステムの創造」です。現在、様々なタイプのロボットが私たちの生活を支えていますが、私の研究では、「 人同士のコミュニケーション」を補助するロボットシステムを提案しています。手がけているのは「感情表現力を増幅するロボット」で、ユーザーの表情や言葉を読み取って、ユーザーの代わりとなって感情を身体表現するものです。身体的なハンディキャップなどによって感情を表現することが困難な人でも、このロボットを使用すれば、ボディランゲージを交えた豊かな感情表現が可能となります。
夏休みには、東京・足立区にある介護施設を訪問し、デイサービスを利用する高齢者を対象に評価実験を行って、定量的・定性的評価を集めました。利用者からは「たくさんの装置に囲まれると自然なコミュニケーションが難しい」という声もあり、よりシンプルなインターフェイスにすることも課題だと感じました。今後は、こうした課題をクリアしながら実用化に近づけていきたいと考えています。

ものづくりやプログラミングなど研究を下支えする技術・知識を幅広く学べることが、SFCならではの特徴

私はGIGAプログラム生として、1年の後期から徳田・高汐・中澤研究室の「Sociable Robots Lab」という研究グループに所属しています。入学時からSFCならではの体験や研究をしたいと思い、ITに関わる研究室を探していたところ、GIGAプログラムの先輩が、この研究室を紹介してくれました。1年次年から研究を続けてきたため、現在取り組んでいる研究テーマにたどり着くまでに、ものづくりやプログラミングなど、幅広い知識や必要な技術を身につけることができたのも、SFCならではの恩恵だと思います。また、かねてから興味を持っていた"NAO"や"Pepper"などのヒューマノイドロボットも研究室で用意してもらえたので、じっくりと時間をかけてロボットと向き合うことができたのは、研究を進めるうえで大きな収穫でした。研究の成果は、目標であった人とロボットのコミュニケーションを扱う国際会議"IEEE RO­MAN 2016"で発表し、各国の研究者たちから有益なアドバイスをいただけたことです。今後はこうした経験を活かして、多くの人々のコミュニケーションを助ける技術を完成させたいと考えています。