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研究とラグビーが、いい方向に積み重なっていく

研究とラグビーが、いい方向に積み重なっていく

原 わか花 Wakaba Hara
学部:総合政策学部4年
出身校:石見智翠館高等学校(島根県)

新しい自分を見つけるために

高校の3年間ラグビーに打ち込んできた私ですが、両親が自然豊かな環境で幼稚園を経営していた影響もあり、自然環境や地域創生をはじめ幅広い分野に興味を持っていました。そのため、1つの分野にしばられずに学び、新しい自分を見つけられる大学に行きたいと思いSFCを志望しました。SFCなら自分なりのスタイルで、学業とラグビーを両立させる道を切り拓いていけるのではないかと感じたのです。
私は「慶應義塾體育会」に憧れを抱いています。所属する学生一人ひとりが、歴史ある慶應義塾の名を背負っていることに誇りを持っているように感じるからです。私は体育会には所属していませんが、多くの体育会生がいるSFCでさまざまな考えや意見に触れながら学業とラグビーに励めることは、私の原動力になっています。

慶應義塾の名を背負い東京五輪へ

私はSFCに入学する前に、初めて女子セブンズ(7人制ラグビー)の日本代表として公式戦でプレーすることができました。その頃から「慶應義塾の名を背負って東京オリンピックに出場する」ことを目指し、入学後は「東京山九フェニックス」という大学生や社会人で構成されるチームに所属してラグビーに取り組んできました。私のポジションはウィングです。何回もトップスピードを出し続けられるスプリント力と持久力が持ち味だと思っているので、その能力は常にチームで一番でいることを心がけてトレーニングに向き合っています。
念願の東京オリンピックにも出場することができました。実際に出場して、小柄な日本人の俊敏性や連携力は強みであり、さらに伸ばしていく必要があることを実感しました。自分の、そして日本の可能性に気づけた大会だったと思っています。

ライフイベントと競技を両立させたい

研究は、東海林祐子研究会で、「日本における女子ラグビー選手のライフイベントを通過した競技継続」をテーマに取り組んでいます。東海林先生の授業を受けた時に、先生の訴えかける力強さとともに女性らしさを感じ、「ライフスキル」という分野に興味を持ったので、ぜひ所属させていただきたいと思いました。
テーマを決めるきっかけは、「結婚したいから」「子供を産んで育てたいから」という理由で引退する選手が身近にいて、女子ラグビーの環境と選手の意識の両面から危機感を覚えたことです。世界の強豪国を見渡すと、結婚・出産・育児といったライフイベントを経て代表に復帰している選手がたくさんいます。結婚や育児とラグビーを両立させるための環境があり、ロールモデルとなる選手がいるからこそ続けられるのではないか。そういう選手たちが積み重ねてきた歴史が、強さに反映しているのではないかと思ったのです。

他者の理解とサポート環境が大切

競技を続けられないのは、心理的問題なのか、あるいは続けるマインドがあるにも関わらず女子ラグビーの環境が整っていないのか。研究では、それらをまず先行研究から調査します。その上で現役選手にアンケートをとって話を聞き、私が施策を作って再度インタビューしています。
女性は第三者の意見をよく聞きます。特にアスリートは多くの人の意見を吸収する能力に優れています。優れているからこそ、意見を聞いて「結婚したらラグビーは続けられない」というマインドに陥りやすいのです。他者の理解や、まわりからのサポート環境など、心理的・環境的問題の解決につながる方法を、卒業論文で提案したいと考えています。

ワールドカップ・セブンズへ、その先へ

女子セブンズ日本代表は、アジアラグビーセブンズシリーズで優勝し、ラグビーワールドカップ・セブンズ2022への出場を決めることができました。ベスト8を目指して、自分を磨いていきたいと思っています。2024年にはパリオリンピックも控えていますし、その先では、日本を飛び出し、プレースタイルの異なる世界のさまざまな国でラグビーに取り組んでみたいという夢も持っています。
セブンズは展開がスピーディーで、ボールが動き続ける競技です。前後半で14分という短い時間なので、初めてでも集中して観続けることができますし、鬼ごっこのような要素も面白く感じられると思います。多くの人たちに観てもらえる機会が増えることを願っています。

やりたいことを尊重してくれるSFC

コロナ禍は自分と向き合う時間が多くありました。「本当に自分がやりたいことは何だろう」、「自分が目指すべき場所はどこだろう」と自分にフォーカスする時間が長かったからこそ、気持ちを新たにすることができたのだと思っています。ラグビーの合宿や遠征が多かった時期にも、充実したオンライン授業のおかげで学業と両立させることができました。
SFCはやりたいことを尊重してくれる場所です。個性を活かしながら高い志を持って活動することができます。学業でやりたいこと、私にとってのラグビーのような学業以外にやりたいこと、その両方に集中できて、いい方向に積み重なっていく環境があります。自分のやりたいことを実現するために、さらに上を目指していくために、ぜひSFCに飛び込んでほしいと思います。