スポーツ選手の視覚や脳波を分析し、
社会に新たな気づきを。
久野 貴弘 Takahiro Kuno
学部:環境情報学部3年
出身校:私立東海高等学校【愛知県】
入学年度:2011年
人間が五感で知覚する全情報のうち約85%を占めるといわれている視覚。スポーツの現場、特にヨットの競技(2人乗り)において、この視覚をもっと活用できないだろうか。そんな思いから、ヨット選手の視覚探索活動を計測して、熟練度の差が視覚情報にどのように現れるのかを研究し,それを選手たちにフィードバックする取り組みを行っています。実際に検証してみると、ヨット歴によって視覚の注視ポイントに差があるのがわかってきました。例えば、舵とセール(帆)を見る頻度は、初級者より上級者のほうが圧倒的に高く、初級者の場合は、注視ポイントがほとんど固定されています。これは状況に合わせて情報収集するポイントを、熟練者が認知しているからと考察することができます。最近、このテーマには先行研究がないことを知り、しっかりと結果を導きだせば、学会で発表できるチャンスが得られそうです。
複数の研究会を履修することで、違った視点の
ユニークな研究テーマを生み出すことが可能に。
SFCの魅力は、複数の研究会に入れることだと思います。私の場合は、人間工学系の研究会と同時に、医学系の研究会も履修。異なる学問を学ぶことで、新たな発想を取り入れた、とてもユニークな研究ができています。それは、「変化盲」や「選択盲」という無意識の行動を応用して、「人は気づく瞬間、どこをみて、どのようなことを意識しているのか」というもの。この研究では脳波の動きも測定するので、脳波計が必要になります。そのために、その設備を持っている筋電・脳波計測を専門とする研究室とのコラボレーションも現在検討しているところです。ひとつの研究会を履修するだけでは、ここまでテーマを広げられなかったと思います。これが実現されれば、今まで解明できなかった真理に一歩近づくことができます。やりたい研究があれば、アグレッシブに取り組めるのがSFCのいい所だと思います。