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当事者として、支援者として、
子供の貧困について社会の理解のために活動する

内山田 のぞみ Nozomi Uchiyamada
学部:環境情報学部4年
出身校:小松川高等学校(東京都)

子供の貧困問題がマスコミなどで取り上げられる機会が増えています。そこで示されるのは、「日本の子供の16.3%が貧困状態にある」といった、相対的貧困率ばかりが注目され、日本における子供の貧困問題はまだ十分に実態が理解されていない比較的新しい問題と言われます。
私自身、母子家庭で育ち、アルバイトをしながら塾に通ってSFC に入学した経験などから、子供の貧困について問題意識があり、「子供たちの貧困」をプロジェクトのテーマとして研究しています。
具体的には、NPO のインターンとして学習支援を始め、各地で子供の貧困対策に取り組む一般財団法人「あすのば」設立に携わり、その団体を通して調査・研究とそのデータなどに基づいた政策提言などを行ってきました。こうした取り組みを通して、生活保護の対象となっているような家庭の子供たちはもとより、そこまではいかなくとも家庭の貧困によって希望の進路を選べない、学習の機会を得られないといった、従来の支援が届きにくい子供たちの貧困問題について、今後も取り組みを継続していきたいと考えています。

子供の貧困問題への対策が、単なる対症療法に終わらないために

フィールドワークでは、まず大学2年生の冬から1年半、NPO法人「キッズドア」のインターンとして、経済的な理由で学習塾に通えない子供に焦点を当て、都立高校への入学を目指してもらうというプロジェクトのマネジメントや子供たちへの学習指導を行いました。さらに現在も、生活困窮者自立支援制度に基づいて同NPO法人が足立区から委託されて運営している、家でも学校でも部活でもない、子供たちのための「居場所」に、スタッフとして関わっています。
また、子供の貧困問題に取り組む一般財団法人「あすのば」では、学生として設立に関わり、現在も学生理事として運営に携わっています。「あすのば」の活動は、子供の貧困問題に取り組むグループの連携のほか、政策提言と研究も大きな目的となっています。このため私も、理事として国政政党の厚生労働部会などで、児童扶養手当の年齢延長に関する話などをさせていただきました。
今後は、子供の貧困対策が対症療法に終わることなく、国全体で持続的に取り組んでいけるよう、自身のプロジェクトをさらに進めていきたいと思います。