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パリで多民族社会・文化意識を体感した留学生活

酒井 幾代 Ikuyo Sakai
学部:総合政策学部4年
出身校:神戸国際高等学校(兵庫県)

3年の後期から4年の前期まで、1年間にわたってパリ政治学院に留学しました。もともと高校で留学するより、大学入学後に留学した方が、現地の文化や社会に溶け込めると考えていました。また留学するのなら、英語圏以外の国に留学したいという希望もありました。誰もが英語力を求められる時代だからこそ、第2言語を磨くことが自分の強みになると思ったのです。イラストレーターの母がフランスの雑誌の日本版に挿絵を描いていたことから、フランスにはもともと親近感がありました。中高でフランス語をやって基礎ができていたので、留学先は当初からフランス語圏の国に焦点を絞っていました。
留学先の大学は、各大学のカリキュラムや所在地などを勘案して決めました。各大学のホームページを閲覧し、それぞれの大学の得意分野などを調査。当時はフランス語研究室でSAをしていたので、先生や先輩にも相談に乗っていただきました。
実際の留学では、期待を超えた成果を得ることができました。現地に友達がいたので初めての長期滞在も苦にならず、他にアジア人がいない環境で授業を受けるという新鮮な体験を満喫しました。パリ政治学院は寮がないので、住処も自力で探さなければなりません。でもおかげで学外の人との交流を作るきっかけになりました。宗教哲学、近代政治哲学、社会学に関する講義は、卒業プロジェクトのフィールドワークに生かしています。

便利な交換留学制度を利用しよう

滞在中は、アメリカの大統領選挙や、フランスの大統領選挙の成り行きを現地で目撃したことで、市民社会の成り立ちや政治との関わり方、多種多様な文化へのアプローチなども肌で学びました。学外では、現地の日本酒の品評会を日本人のインポーターや現地のソムリエの方々と一緒に立ちあげました。
現地社会の一員として生活することで、自分自身の心情の変化を観察することができました。日本社会では感じたことのない民族意識や集団意識の違いを肌身で感じたことも。SFCを卒業したら、国内では学べない文化政策や文化マネージメントを学びに、再びフランスに留学したいという希望を持っています。
私が利用した交換留学制度は、ビザの申請もしやすく、様々な留学生向けプログラムやサポートのシステムを用意してくれます。慶應義塾大学には、ヨーロッパやアジアでトップクラスの大学が門戸を開いています。
留学の準備は、早い方が有利です。留学する動機は人それぞれですが、その動機をどこまで大きく育めるかは自分の意志の強さ次第。何事にも前向きに取り組めば、きっと道は開けるはずです。