1万人を対象とした25年間の追跡調査に参加
ビッグデータで生活習慣病を解明する
岡崎 仁美 Hitomi Okazaki
学部:環境情報学部3年
出身校:豊島岡女子学園高等学校(東京都)
私が参加しているプロジェクトは、山形県鶴岡市に住む35歳から74歳までを対象とした大規模で長期的な健康調査です。調査対象者は1万人で、25年間にわたって、食事のパターンと血液中の代謝物質の調査を行うものです。一般的に、西洋食よりも日本食が健康によいといわれていますが、それを裏付けるデータや論文は、まだまだ少ないのが実情です。調査では、8項目ほどの食事に関するアンケート調査と、人間ドック時の血液検査で分析する115種の代謝物質について、データを蓄積して、食事パターンと健康についての関係を分析していきます。このテーマは先行研究やデータが少なく、膨大なデータをどのように分析するのが適切なのかを判断することが難しいのが特徴です。その一方で、どのようにデータを整理して、食事パターンと健康状態の相関関係を見つけ出すかを試行錯誤する時間は、とても楽しい時間でもあります。
生活をともにするバイオキャンプ
一緒だから、がんばることができる
SFCには「バイオキャンプ」というカリキュラムが用意されています。これは、慶應義塾大学鶴岡タウンキャンパスで行われる、実験経験のまったくない学生を対象にしたカリキュラムです。最先端の実験器具を実際に使用する実験は大変でしたが、寮生活で仲間と一緒に学ぶので、お互いの励みになります。ここで頑張った経験はこれからも自分の支えになると思っています。現在、携わっているプロジェクトでは、同じテーマを研究する先輩はいませんが、先輩や先生に相談したり、自分で文献を調べたりと、SFCでは問題解決の基本を学べたと感じています。もともとオーダーメイド医療について興味があり、現在の研究テーマを選択しましたが、プロジェクトに参加できるのは在学中のわずかな時間だけです。膨大なデータから、健康との相関関係を見つけることは簡単ではありませんが、いつの日か、自分の携わった研究データが世の中で役に立つことを信じて、日々、研究を進めています。