空飛ぶディスプレイが国内外で高評価を!
新たな視点から製作したディスプレイの可能性
野﨑 大幹 Hiroki Nozaki
学部:環境情報学部3年
出身校:慶應義塾高等学校(神奈川県)
私は、公共ディスプレイと人の関係について研究をしています。公共ディスプレイとは、駅など公共空間に設置されたディスプレイを指します。私たちの研究領域では、ディスプレイを中心に人の動きに対するインタラクションが従来の研究対象でした。例えば、人の動き方や位置によってディスプレイの表示内容を変更し、周囲の人の注意を引きつける研究があります。
しかし私は、人に対してディスプレイはどのようにアプローチするべきか? 人にディスプレイが物理的に近づき、それに伴いコンテンツも変化させるといった、従来とは対照的な研究モデルを提案し、取り組んでいます。
アメリカの発明家ディーン・ケーメンが開発した電動二輪車セグウェイに、ディスプレイを載せると想像してください。これらのロボットにより、人間に対してディスプレイが移動しながら情報提示可能な様子が想像できるでしょう。
しかしこれらのロボットは平面的な動きであり、雑踏の中などでは対象物への直接的なアプローチが難しくなります。そこで考えたのが、立体的な動きを可能とする、空間を自由に飛びまわる"Flying Display"です。
スクリーンとプロジェクタが空間を強調飛行し
人とインタラクションする「FlyingDisplay」
私が提案した「FlyingDisplay」は、情報を映し出すプロジェクタとスクリーンが、自由に空間を飛行することで、より自由な情報提示を可能にしました。
具体的にはドローン(無人操縦機)を活用しているのですが、単純にディスプレイをドローンに搭載して飛行させると、ドローンに非常に多くの出力が必要になります。そこで、ディスプレイの機能を、投影側と被投影側、つまりプロジェクタとスクリーンの2つに分け、それぞれをドローンに搭載することで、出力の問題を解決しました。
この研究では、日本学生支援機構の平成26年度優秀学生顕彰学術部門の大賞をはじめ、国際会議CHI2014で3位を受賞するなど、高い評価をいただきました。
今後も、実空間と情報空間の融合、環境と情報というキーワードについて、答えを探す研究に取り組んでいきたいと思います。