もっとフレンドリーなドローン開発を目指して
水野 史暁 Fumiaki Mizuno
学部:総合政策学部3年
出身校:松本工業高等学校(長野県)
SFC「未来構想キャンプ」への共感
私は小さい頃からものづくりが好きで、高校時代にはドローンに関する研究を行っていました。ちょうどそのタイミングで、SFCの「未来構想キャンプ」が"ドローン前提社会"をテーマに開催され、そこに参加したことをきっかけにSFCに興味を持ちました。ドローンが当たり前のように使われていて、人々がさまざまな恩恵を受ける未来を考えることがとても楽しかったです。私自身、これからそのような時代が来ると思っていたので、自分のビジョンにぴったり合っていると感じました。
ドローンを活用するためには、機体の性能などテクノロジーの側面だけでなく、社会での仕組み作りや法制度の整備など、複合的な課題を解決していく必要があります。SFCはさまざまな分野を横断して文理融合で学べますし、複数の研究会を履修することもできます。私にとって、最適な学びの環境があると考えました。
捜索するドローン・高速で飛ぶドローン
SFCでの研究成果を公開する「Open Research Forum 2019」には、「遭難捜索におけるUAV(無人航空機)の有用性の検証と評価」を出展しました。私が所属している武田圭史研究会では、ドローンを用いた遭難捜索や、夜間における野生動物の調査などを数多く行っています。その豊富な経験を通して、熱源を検知する技術や、赤外線カメラが人間と認識するための条件などの知見やノウハウを培ってきました。それらを活かし、実際に捜索ボランティアとしても関わらせていただきました。
また、「UAVにおけるFPGA (Field Programmable Gate Array) を用いたカメラ入力処理の高速化」というテーマにも取り組んでいます。これは、特殊なカメラを使った高速画像処理ができるシステムを開発することで、ドローンの高速飛行を実現するための研究です。現在、さまざまな自動飛行研究が進められていますが、画像処理に膨大な圧縮・解凍作業が必要で、それが高速化の妨げとなっています。画像処理のプロセスをもっと簡単シンプルにすることができれば、機体本来の性能を引き出し、現在よりはるかに速い速度で飛行させることができるのです。
複数の研究会で学びと交流を広げる
ドローンを含めてロボット開発には、ソフトウェア面からハードウェア面まで、総合的な幅広い知識が求められます。その知識を得るために、私は数多くの研究会に所属してきました。ドローン研究の中心となっている武田研究会のほか、村井純合同研究会、高汐一紀研究会、田中浩也研究会などで、さまざまなテーマに取り組みながら、その成果を自分の研究に取り入れてきました。大学では一つの研究会で学ぶのが一般的ですから、複数の研究会に所属して学びや交流を広げられることは、SFCならではのメリットだと思います。
広げてきた学びを、焦点を一つに絞って掘り下げていくことが今後の目標です。テーマを少し尖らせて、自分の強みと言えるものを作れるような研究に取り組んでいこうと思っています。
ものづくりによる問題解決をこれからも
将来的には、もっとフレンドリーなものとして認識されるドローンを開発したいと考えています。フレンドリーなものにするためには、まずは使ってもらうこと。そして、利便性を感じてもらわなくてはなりません。ガラケーが一般的だった日本で、スマートフォンがあっという間に日常的なツールになったのは、みんながその利便性を実感したことが大きいと思います。ドローンを普及させるためにも、触れたことのない人に手軽に使ってもらえるような機体を作り出していきたいです。
私は、大学に入学するずっと前から、"ものづくりによる問題解決"を目指してきました。自分が手を動かして何かを作り、"できなかったことができるようになる"のがうれしいのです。これからもドローン開発を通して、そのテーマを追究し続けていきたいと思っています。
やりたいことがあれば形にできるSFC
やりたいことがあって、それを実現したいという意志を持ってSFCを目指すのは、とてもいい選択肢だと私は思います。SFCは、やりたいことがあれば形にすることができます。ですから、高校時代までにいろいろなチャレンジを積極的にして、「こういうことがやりたい」「こういうことに取り組んでみよう」といった思いを育んでおくといいのではないでしょうか。
入学してから、やりたいことが変わっても大丈夫です。あらゆる分野を網羅しているSFCなら、自分の興味に合わせて学びの方向をパッと修正することができます。それもまた、SFCの大きなアドバンテージだと思います。