GIGAの授業で国際的な学びを実践
佐藤 智奈津 Chinatsu Sato
学部:総合政策学部1年
2歳半から7年間ほどアメリカで生活した経験の中で、英語を自然と身につけることができました。日本に帰国後も、英語への興味は持ち続け、英語力を伸ばして生かせる環境を常に求めてきたように思います。
日本生まれの日本人ですが、アメリカとは異なる日本の文化に違和感を覚えることもあります。私のような子どもは「サードカルチャーキッズ(TCK)」と呼ばれており、私が大学で研究対象にしたいと考えている分野の一つです。TCKを研究するためには、文化、言語、教育、社会と心理の5領域すべてを学ぶ必要があると考えています。学部ごとの専門分野に限定されることの多い他学部や他大とは異なって、認知度の低いこのような分野を、多方向から研究できる環境がSFCにはあると考えて志望しました。
SFCでは、様々な視点を持った個性豊かな人たちと学ぶことで刺激を受けることができます。学生一人ひとりの背景がユニークで、多くの人が自分の関心分野に一歩踏み込んで学んでいることが印象的です。
英語だけで履修・卒業できる、GIGA(Global Information and Governance Academic)プログラム生として入学した訳ではありませんが、英語によるプログラム修了を証明するGIGAサティフィケートを申請しました。興味のある科目を選択した結果、GIGAの授業が自然と多くなっています。GIGAの授業の他にも、海外の学生とネットでつながる授業を履修することで、英語のレベルアップを図りつつ、より多くの世界観を通して物事が見られるように学んでいます。
想像よりもはるかに国際的な環境
GIGAの授業を通して改めて実感したのは、私の英語力がまだ十分にないことです。プレゼンテーションやレポート、ディスカッションにおいて、自分の考えを英語で表現できずに、もどかしさを感じることがよくあります。これまで大切にしてきた英語力をより極めたいと思う一方で、英語の堪能な学生が他言語を学ぶ姿や、英語以外の言語が持つ素晴らしさに触れると、英語だけに執着するのではなく、自分の中にある言語の引き出しをもっと増やしたいという意欲が湧きます。
機会があれば、留学をしたいという希望も持っています。スタンフォード大学やイエール大学の学生と交流した経験から、アイビーリーグへの憧れもあります。同時に、授業で英語のスキルを伸ばし、GIGAサティフィケートを取得することで、私の英語力の指標の一つにしたいとも考えています。将来的には、英語をコミュニケーションツールとしてだけではなく、何か新しいものを生み出す手段としても活用したいという思いがあります。
SFCには、型にはまった「専攻」という概念がありません。また授業に関しては、学生と教授で一緒につくり上げる形式が多いのも特徴です。学生の意見を積極的に取り上げてくれるので、学生一人ひとりが自らの考えを持って発信することの意義と大切さを感じさせられます。ディスカッションでは、思いもよらないクリエイティブな意見が飛び出すことも珍しくありません。「総合政策学」の授業では、自らの持つ問題意識で共感を得られたものに関して、グループを作って問題解決のための現実的な提案を行う「コーカス」というSFCらしい実社会とつながる活動ができたことが印象的でした。
現在は研究会を検討しています。スポーツ、教育、文化、心理という関心分野をすべて網羅した道があるのか、それとも優先順位をつける時期に来ているのか思案中です。
自分の選択によっては、国際色あふれる環境で学べることがSFCの魅力です。SFCでは、「成功」へ導く方法に決まりはありません。勇気を持ってチャレンジしてください。何事にも飛び込んでみれば、思いがけない発見があるはずです。