大木 千加
対立する国の人たちが、「水」資源事業という共働の場を通して
互いの理解を深めるきっかけをつくりたい
大木 千加 Chika Ogi
学部:総合政策学部
出身校:私立山梨英和高等学校(山梨県)
入学年度:2011年
60年以上も続くイスラエル・パレスチナの紛争問題解決の為の<共働の場づくり>構想を研究しています。具体的には、両国の争いの原因のひとつとなっている「水」資源開発のビジネスを共同で行うことで、お互いの理解を深めるというものです。こうした国際問題の解決には、多角的な視点が必要なため、学ぶ授業科目の分野も政治、経済、言語など多岐にわたります。たとえば「ヒューマンセキュリティ」からは人間一人ひとりの安全を確保するという概念とその具体的な取り組みを学び、自身が「水」に注目するきっかけとなり、「ソーシャルイノベーション」ではソーシャルビジネスの手法を学び、水資源ビジネスへの応用を模索しています。また、このプロジェクトでは、現地のパレスチナ人の学生の協力が必要になってくるので、自ら交渉やインタビューを行えるようにアラビア語も勉強しています。
「ものの見方を変える」ために、科目を選択することも。
今後は心理や国際関系についても学んでみたいと考えています。ひとつは人間の根源的な部分である「感情」について。<憎しみ>や<哀しみ>は、自分ひとりだけでなく、周囲の感情も大きく関わってきます。そうした影響をどのように受けて生まれてくるのか、紛争が長期化する理由の一端を知るためにもぜひ学びたい分野です。もう一つは「国際紛争」です。どのように紛争が起こって、どのように解決したのかという今までの事例や解決に向けての具体的な取り組みや手法をとにかく学びたい。私は、知識の習得だけでなく、ものの見方を変えるという目的からも授業を選択しています。もっといろいろな視点を身に付け、人の役に立つ研究を実現したいと、今は強く思っています。