MENU
Magazine
2023.05.30

国立シンガポール大学の来訪|看護医療学部長 武田 祐子

5月10日、11日に国立シンガポール大学(National University of Singapore、略称:NUS)Loo Lin School of Medicine医学部長、The Alice Lee Centre for Nursing Studies看護学部長をはじめとした総勢10名の方々が慶應義塾大学を訪問されました。NUSは高等教育の世界的評価QS(Quacquarelli Symonds)ランキングで世界11位と高い評価を得ており、アジアでトップの大学として知られています。世界各国の大学、学部、大学院等と協定を結んでおり、今回の来日でも複数の協定校の訪問を計画されていて、慶應義塾大学もその一つです。

本学部の新井康通教授とNUSのKOH Woon Puay教授は長年の研究パートナーであり、高齢者を対象としたコホート研究が進む中、今回の訪問につながり、研究の中核となっている百寿総合研究センターとの共催で合同カンファレンスが開催されました。合同カンファレンスでは、CHONG Yap Seng医学部長によるNUSにおける高齢者研究の紹介から始まり、初日午前中は両校の研究・教育に関する情報交換が行われました。 武田先生2 武田先生1
CHONG医学部長、Emily ANG看護部長からは、それぞれ看護医療学部にシンガポールの国花である蘭の置物が贈呈されました。

看護教育については、The Alice Lee Centre for Nursing StudiesのLiaw Sok Ying准教授がその沿革についてお話し下さいました。(The Alice Lee Centre for Nursing Studies「Our History」
2005年にシンガポール初の看護学士課程を有するセンターが設立され、修士課程・博士課程の設置、上級実践看護師の養成、薬学との共催プログラムによる処方権の付与など、常に新たな取り組みにチャレンジされています。強い要請に応えながら、2018年には2006年1期生の6倍以上の学生を受け入れ、その教育は高い評価を得て、 武田先生3 QSランキングの看護部門で世界10位、アジア1位となっています。2022年には看護学生の体験、特にCovid-19に立ち向かう姿を紹介する「マンガ」を作成し、広く広報に努めていました。(お土産として「マンガ」をたくさんご持参くださいました。)プレゼンテーションはとてもエネルギッシュで、さすがに高いreputationを得るだけの強いアピール力を感じました。

都内の訪問看護ステーション、2日目のSFCキャンパスツアー、地域密着型介護福祉施設,ロボケアセンターの見学も組み入れられたタイトなスケジュールでしたが、いずれも精力的に参画され、特に高齢社会の先端を行く日本における在宅ケアに高い関心が寄せられたようでした。また、教員との交流の中で、本学部の選択科目である、短期留学受け入れプログラムには、是非NUSの学生も参加させたいと意欲が示されました。
この度の訪問による交流は本学部教員にとっても大いなる刺激となり、この機運を逃さず、今後の連携・発展につなげていきたいと思います。

武田先生4

武田 祐子 看護医療学部長/教授 教員プロフィール