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2017.10.24

「民泊」ならぬ「文泊」!?後世に紡ぐ|浅枝真貴子さん(1998年環境卒業)

浅枝 真貴子さん

こまちテラス株式会社 代表取締役社長
1998年環境情報学部卒業

写真1.JPG私は1994年に田舎から上京し、SFC4期生として入学しました。「君たちは未来からの留学生だ。大企業に就職するな。自分で仕事をつくれ。」という加藤寛教授のスピーチは、当時の私には斬新で、そのように期待してくれる大人がいるものかと驚いたことを今でも覚えています。

そんな素晴らしい期待をいただいたにも関わらず、大企業に就職し、女性の「あるある」ですが、二子目の妊娠を機に退職いたしました。写真.jpg

会社を辞めて初めて、私のような者が充実した生活を送るためのモデルコースが殆どないということに気づき、「何を自分がするべきか」という内省課題にぶつかります。「出産というのはオンナを変える」と言いますが、価値観までこんなに変わってしまうとは思いもよりませんでした。これまで自分の為に仕事をし、プライベートを充実させてきましたが、今は「子供世代やそのまた後世に何か役に立ちたい。よりよい環境、日本を残してやりたい。」という思いが強くなり、自分達のルーツやそこから先の未来に向けて何をすべきかを考えるようになりました。

写真3asaeda.jpgそこでSFCスピリットが卒業後10年以上経て、発動(!?)独立を決意するに至ります。キャリアはあるが出産等で家庭に入った女性たちを集め、研修事業の企画運営からスタート。

昨年より、語学ができるママ達の協力を得て、日本文化を集約する神社に、国内外の人たちがやってきて、深く感じ入れるプログラム、“ニッポンの文化財に泊まろう「文泊」プロジェクト”を始業。これまで、関東を中心に神社での巫女体験や雅楽体験、神社境内での神社レストランなどを行ってきました。パラオ大使ご夫妻、ベンチャー企業の経営者などが参加されるなど、これまで想像しえなかった人達が集まり、また、“文泊”に共感してくれる同志がプロジェクトにジョインするなど、私がプロジェクトを通じて感動を与えるはずが、「感動をいつも与えられている」と思う日々です。

写真2asaeda.jpg私の場合は「何をやりたいのか」「何をすべきなのか」という課題を学生時代に見いだせず、ずいぶん時間が経ってからの独立でしたが、「思い立ったが吉日」何か始めるのに遅いということはないのだと思います。周りからステレオタイプな意見や批判などもあろうかと思いますが、肝心な事は自分の腹の底から何をやりたいのかということにつきようかと思います。学生時代には、沢山失敗経験を積む、気づきを与えてくれる学友、そんな宝物をたくさん集めておくことが、その後自分にとってよりよい未来を築く糧になるのだと思います。

こまちテラス株式会社
http://komachi-terrace.com/