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2016.10.31

「ありがとう、SFC!」|高野 仁(湘南藤沢キャンパス事務長)

 2011年11月1日に第9代の湘南藤沢キャンパス事務長に就任し、2012年1月13日に「はじめの一歩」というタイトルで「おかしら日記」デビューを果たしましたが、事務長就任から満五年でSFCを去ることとなりました。
 
 1990年4月の創設から8年2ヶ月、2009年11月から7年間。私のSFC生活は通算15年を超えました。
 
 2012年1月に書いた「おかしら日記」では、「事務長という立場から未来の地平を見たい」という思いを綴りました。そのためには、地に足をつけて地平を望むその場所を固めることが必要で、それは学生との距離を縮めることであるということを書きました。
 
 はたして、私は「未来の地平」を見ることができたのでしょうか?
 
 当初、私が考えていたのは、遠くを展望するための高台を築くために地盤を固めるようなイメージでした。しかし、今年の5月に総合政策学の授業に壇上者として河添学部長と一緒に登壇させていただいたことで、このイメージは変わりました。
 
 「未来の地平」は、奇しくも私が地に足をつけるために必要だと感じていた距離を縮めるべき学生の中にこそあったのです。
 
 SFCの25周年を在任中に迎え、未来創造塾事業のために募金のお願いに回っていたときに出会った多くのSFC卒業生は、私が1990年代にSFCで仕事をしていた時の学生でした。初代総合政策学部長の加藤寛先生は、学生を「未来からの留学生」と表現しました。
 「そうです。」
 私は、年を経てまさに未来に帰っていった留学生の現在に出会っていたのです。
 
 この体験のゆえでしょう。Θ館の壇上から大勢の学生の皆さんを見た瞬間に、私は「未来」とはここにあるのだということを実感したのです。「未来」「可能性」「輝き」とでも表現すればよいのでしょうか、まばゆいオーラが私の心に届いてきたのでした。
 
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 昔も今もSFCには「未来からの留学生」がいる。学生の中にこそ、私が見たいと願っていた「未来の地平」がある。
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 観念的にしか理解していなかった加藤寛先生の言葉が、私の中で「腑に落ちた」のです。
 
 「腑に落ちる」ということは大事なことです。知識として学んだことが自分の身につくということは、「腑に落ちる」という体験をとおしてこそ実現すると思うからです。
 
 「学生との距離を縮める」ことを「はじめの一歩」と考えていた私の考えは、間違っていませんでした。「はじめの一歩」であり、その後も連綿と続く歩みを構成し続ける「一歩」だったのです。なかでも私とともに歩んでくれた学生たちは、私にとって大事な存在となりました。
 
 私に未来を見せてくれた多くのSFC生に、そしてSFC生とともに歩む教員・職員のみなさん、そして、SFCに関わる多くのみなさんに感謝したいと思います。
 
 「ありがとうございました。」
 
 私は、11月1日付の異動で三田キャンパスで塾監局人事部長として着任しますが、SFCでの経験は私の未来にもつながるものと思っています。もう一度、言わせていただきたいと思います。
 
 「ありがとう、SFC!」 
 
【SFC事務室より】
なお、11月1日より 中村 好孝が後任となります。