SFCの現場
小林良樹研究室
研究領域キーワード
社会安全政策論、治安対策、犯罪学、インテリジェンス、国際テロ
どのような研究をしているのですか?
津島(社会安全政策研究):
研究テーマは薬物犯罪対策、青少年問題、犯罪被害者支援、経済犯罪対策など大変幅広いです。具体的には、大学生の薬物犯罪対策や万引き防止対策など自分にとって身近でかつフィールドワークしやすいテーマを設定する人が多いです。また、研究手法は政策提言型で、研究過程としては罪種を選択→現状分析→アクター、利害対立、問題点の抽出→解決策の提示というかたちで、社会安全政策論に基づいて研究を進めています。また、希望者のみですが海外研修(香港、マカオ)では海外の警察を訪問します。
石崎(インテリジェンス理論研究):
個人研究なので、それぞれテーマが異なります。先学期で扱われたテーマは、 「2010年11月横浜APECにおけるテロ妨害活動の可能性」 や 「今後3年以内に北朝鮮が核実験を行う可能性」 などがあります。基本的に分析型のレポートが多いですが、興味ある分野の基礎理論を追求した研究方法も可能です。どんな研究テーマでもインテリジェンス理論に基づき研究を進めています。
研究室の一日を教えてください。
津島:
研究会の時間は各学期にもよりますが、主にグループワーク・グループ発表・個人研究発表を行います。発表では学生同士での意見交換や先生から丁寧なフィードバックがあります。
研究室は研究会の前後や個人研究の相談などがあった時に頻繁に通う学生が多いですが、用事がない時でもご飯を食べに行ったり、お茶したりと気軽に立ち寄ることができます。また、先生が担当する授業でゲストスピーカーの方がいらした時は、必ずタブリエでランチをします。(津島)
石崎:
今期は先生から課題図書のような形で与えられた論文を毎週輪読しています。先学期はインテリジェンスの基礎理論が述べてある英語文献を読みました。論文は日本語で書かれたものもありますが、基本的には英語のものを使用しています。研究室がある日は読んだ論文に対して自分の意見などをまとめたりしています。研究室で集う機会はあまりありませんが、研究会では議題や論文について各自の意見を述べたり議論を交わしたりすることが多くあります。もちろんインテリジェンスや国際情勢について話し合うことが中心ですが、各自の私生活についても話をするなど、アットホームな雰囲気が漂う研究会です。
先生はどんな方ですか?
津島:
先生は有期で警察庁から出向で来ている方なので、現役の警察官僚です。まさに「警察官」という感じで、堅実・真面目という言葉がぴったりの方です。仕事柄、海外や国内の様々なところでお仕事をされてきた分、視野が広く、先生の話は説得力があります。
また、学生のレポートにも赤ペンを入れて下さったり、丁寧なフィードバックを下さったり、大変面倒見が良いです。研究会の懇親会の幹事も毎回引き受けて下さる、とても優しい先生です。
石崎:
東京大学法学部卒業、ジョージ・ワシントン大学修士課程修了、香港大学政治・公共行政学部修士課程修了など、そして警察庁から外務省や本塾への出向を始めとして、素晴らしい経歴を持っておられる方ですが、学生の視点から親身に個人研究の相談に乗ってくださるなど、「おおらか」という言葉が似合う方です。しかし時には厳しく指導されることもあり、警察官としての経験を感じさせる、的確で説得力のあるアドバイスをしてくださいます。長期休暇には趣味である登山へ行かれたりすることも多いそうです。
研究室ならではのキーワードはありますか?
津島:
「社会に出てから必要な能力を身につけて欲しい」
他の研究会と根本的に異なるのは先生の本業が研究者ではないことです。そのため、先生のお話を聞いていると、アカデミックを極めるというよりも、研究を通して社会に出てから必要な能力を身につけて欲しいという強い想いが伝わって来ます。自分から積極的に関わる程、将来に向けて大きく成長できる研究会だと思います。
リポーター
環境情報学部3年 津島真美さん(社会安全政策研究)
総合政策学部3年 石崎瑛子さん(インテリジェンス理論研究)
(掲載日:2011/10/25)
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