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Magazine
2007.05.09

卒業後の舞台活動を振り返って

SFCスピリッツ

卒業後の舞台活動を振り返って

上本竜平さん
2003年総合政策学部卒業

AAPASFCでの4年間で、生活が形成するイメージと劇場について考えるようになった僕は、卒業後、仮設空間と舞台作品の製作を通じ、様々な生活環境を一時的に<シアター>に変える活動を始めた。

そして大学を卒業して2年目の年から3年間に渡り、横浜市から助成をいただいた。個人による自主的な創作活動であるがために、自己完結的な形に収束してしまいがちなところで、外部からの視点を設けてもらえたことは、問題解消の手助けになった。なにより製作経験がまだ少なかった自分にとって、この3年の間、年に2回というペースで作品発表を行うことに様々な面で支援をいただいたことが、とても大きかった。

自分の活動は、一人では作り出すことのできないものを作り出している。建築家、振付家、ダンサー、役者など、それぞれ異なるフィールドを持つ専門家が集まり、毎回ひとつのテーマを掘り下げ、協同で製作を行う。このプロジェクト・ワークのスタイルは、自分がいま働くWeb製作の現場とも共通している。

前例に倣い同じレベルを目指すという考え方ができない、未成熟な分野、新たな試みに挑む現場では、専門家が揃わない・存在しないことも珍しくない。必要な役割について広く意識を配り、部分的に専門外を兼担する姿勢が必要になる。格好いいなんて奇跡に過ぎない、それでも「やる」ことが、重要な意味を持つときがある。周囲の評価を冷静に受け止めながら、しぶとく続ける。SFCの環境で学んだことの、ひとつだと思う。

AAPA Away at Performing Arts
Eメール:info@aapa.jp
活動に興味を持ってもらえましたら、ぜひ一度ご連絡いただけたら嬉しいです。

(掲載日:2007/05/09)