SFCスピリッツ
必然の出会いを生むためには
武内亜里さん
慶應義塾大学SFC研究所 研究所員(訪問)
2006年総合政策学部卒業
『卒業生の活躍』への寄稿依頼をうけ、ふと大学入試(AO入試)の時の書類に目を通した。
そこに書かれていたのは、「所得や居住地による教育格差」に対する強い問題意識と、それら問題を解決する「次世代の教育とは何か」という自問だった。驚いた事に、私の中の軸(問題意識)は、高校時代から今に至るまでの7年の間、ぶれていなかったのである。
現在私は、ベネッセコーポレーションで新規事業の立ち上げを担当している。今担当している事業は、「次世代の教育環境創造」だ。具体的には、知識構築だけでも実践能力育成だけでもない、その両者をかね合わせた教育の開発である。今まさに、高校時代に感じた課題を会社の新規事業として解決しようとしているのだ。
なぜ私は、高校時代から一貫した活動が行えているのだろうか。その理由は、私が「意志」を持っていることにある。そして、その「意志」を発信し続けていたからだろう。その「意志」とは、冒頭で触れた7年間変わらない私の中の問題意識だ。
「意志」を発信し続けた結果、私は素晴らしい人たちと出会えている。「意志」は課題解決のための必然の出会いを生むのである。
ただし、それら出会いを有益にするためには、「意志」を持つだけではダメだ。出会った人に影響を与えるためには、「意志」を実践する事でメッセージが強くしておかなければならない。それがなければ、ただの理想論になる。
私は、「意志」強化のために、会社という場だけでなく、SFC研究員という場も持ち、平日は会社で、土日は大学で実践している。その行動こそが、私の「意志」を相手に伝わる強いメッセージとし、必然の出会いを生んでいるように思う。
20代はいま持っている「意志」実現のために疾走したい。その後の「意志」を何にするのかは、走りながら考えるつもりだ。
※現在開発しているアセスメント「論理コミュニケーション能力テスト -i.pa(アイパ)-」についてはこちらをご覧下さい。
(掲載日:2007/05/30)