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Magazine
2007.03.07

「ジェネラリストとしての弁護士」のススメ

SFCスピリッツ

「ジェネラリストとしての弁護士」のススメ

田中雅敏さん
鴻和法律事務所 弁護士・弁理士
1994年総合政策学部卒業

台湾への著作権制度視察
台湾への著作権制度視察
「スペシャリストではなくジェネラリストたれ」とは、私がSFCに入学したときに言われた言葉です。1990年に私が一期生としてSFCに入学したころ、学部全体の雰囲気は、まさにこのような方向性を向いていたような気がします。

私が弁護士になったとき、最初は「スペシャリスト」になってしまって、学部の方向性とは違ったかな、などと考えていましたが、最近は、弁護士とは「スペシャリストとしてのルーツをもった完全なジェネラリスト」だと思っています。法律というツールの取り扱いについてはスペシャリストであることは不可欠ですが、世の中に生起する複雑怪奇な事件の数々を、いかに結果を出して解決するかを考えると、法律ツールは完全に使いこなせることを前提とした上で、社会の様々な仕組みや構造、技術的な知識や様々な雑学(?)等を横断的に応用できる、柔軟な「ジェネラリスト」としての能力が不可欠です。時には、予想外のものまで組み合わせて、結果をきちんと出せたときの喜びは、格別です。

最近は、福岡という場所において、九州経済を支えるインフラとしての知的財産権に関する総合的なサービス提供をする枠組みを作る活動をしています。「弁護士知財ネット 九州沖縄地域会」「日本知的財産仲裁センター九州支所」などの活動と、行政機関や、各大学、それにユーザー企業とを有機的に結びつけ、九州における知的財産権の底上げを図っていこうとしています。

「起業や新規進出をするなら、知財インフラの整った九州に」と日本全国のみならずアジア地域においても思ってもらえるような「結果」を出したいと思っています。

東京、大阪以外の地域で弁護士をやることは、これからの時代は特に、いろいろな意味で刺激的で面白いこと請け合いです。SFCの学生の皆さん、是非弁護士になって、皆さんの本領を発揮してください!

画像の説明:
九州は、アジアへの玄関口として、弁護士会としても、韓国や台湾、中国等との交流が盛んです。写真は、台湾への著作権制度視察の際のものです。

(掲載日:2007/03/07)