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2008.04.09

人形劇学科で哲学を勉強中

SFCスピリッツ

人形劇学科で哲学を勉強中

チェコ・プラハ

青木尚子さん
プラハ国立芸術アカデミー・演劇科・人形とオルタナディブの演劇学科・ドラマトゥルギー部門 修士課程在籍、チェコ政府奨学生
2005年総合政策学部、2007年政策・メディア研究科修士課程

SFC在学中は、発達心理学(濱田庸子研究会)、国際政治(廣瀬陽子研究会)、ヨーロッパの思想と文学(堀茂樹研究会)を主に学んでいました。学部3年時にチェコの人形劇に興味を持ち、卒論ではチェコ人形劇の歴史と伝統化の過程について、修論ではチェコ人形劇の思想的側面について書きました。

そして現在、チェコ共和国の首都、プラハにある国立芸術大学人形劇学科(KALD DAMU)で学んでいます。意外に思われるかもしれませんが、チェコ語を別にすれば、今も学んでいること自体はSFCとあまり変わりません。授業では主に、人形劇の歴史と理論、思想的側面、哲学、批評を学んでいます。課題では、演劇の理論書、文学作品、そして哲学書も読みます。さすがは“ハベル大統領”を生んだ国。舞台芸術の背景とそれを生む土壌が実に豊かです。そして人形劇という概念の広さ、深さ、面白さに日々気付かされます。

そのような環境の中で、「人形劇とはどのようなものか」という問いが私をとらえるようになっています。「劇人形とは何か」「オブジェとは何か」「客体とは何か」といったテーマを主軸に、思想・哲学から、日本の古典芸能、イッセー尾形やラーメンズの舞台にまで言及した、私にしか書けない論文を書こうと日々準備を進めております。そして将来は、人形劇専門の批評を行い、日本における人形劇文化の底上げに少しでも貢献できればと願っております。

(掲載日:2008/04/09)