MENU
Magazine
2008.04.02

「ねじれ国会」で役人が思うこと

SFCスピリッツ

「ねじれ国会」で役人が思うこと

村山卓さん
総務省 総務副大臣秘書官

1996年総合政策学部私は今、「この原稿がサイトに掲載されるとき、果たして国会情勢は、福田内閣はどうなっているのか」という緊迫感の中にいます。日本が未体験の「ねじれ国会」により、数日後の政治情勢すら予想できません。こうした状況下、衆議院議員でもある副大臣の秘書官として、政界の動きを肌身で感じることのできる職務に就いています。

このコーナーで、役人が登場するのはおそらく初めてでしょうか。国家公務員は、SFC生にとっては比較的馴染みの薄い職業かもしれません。一方、自治省に入省した慶應の卒業生は私が3人目、SFCからはもちろん初めて。今でこそ毎年のように後輩が入省しますが、役所側から見ても珍しい存在だったかもしれません。しかし、一方で、SFCのプログラムは役人の仕事や考え方の基礎となるものも多く、私自身これまで大いに役立っていると感じています。

昨今、役人に対し厳しい批判が寄せられますが、本来、支持団体や任期のしがらみなしに国の将来像について議論し、施策を立案できるのは役人しかないのではないか、と思います。また、手探りで国の方向性を模索しなければならない今日、冷静に状況を分析し、所与の条件から解を導く能力が必要になります。特に、これから前例を踏襲することのできない時代になると、SFCで習得した能力が求められることになるのではないかと思います。是非、熱意あふれるSFCの後輩達とともに、よりよい日本を創っていけるとよいですね。

(掲載日:2008/04/02)