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2010.08.31

「諦めず挑戦すること」を学んだSFCでの研究

SFCスピリッツ

「諦めず挑戦すること」を学んだSFCでの研究

佐宗洋彦さん
財団法人日本スケート連盟事務局員
2004年総合政策学部卒業、2006年政策・メディア研究科修士課程修了

財団法人日本スケート連盟の事務局員として、日本で開催される国際フィギュアスケート競技会のコーディネーターアシスタントをしています。本連盟の常駐事務局員は、皆様が思っているより少なく約10名です。仕事の内容はさまざまで選手が海外の競技会に参加する際の手続きなどサポートを行います。本連盟が管理する種目は、フィギュアスケート、スピードスケート、ショートトラックの3種目となります。

私が行っている仕事は多岐にわたり、選手のエントリー管理、会場装飾、物品販売管理など、多くの関係者と綿密な打合せが必要になります。競技会は、第一に選手の最適な環境づくりを考えますが、観客、役員などさまざまな関係者にも満足してもらえるような競技会にしなければなりません。しかし、全ての意見を聞いていると競技会が成り立ちません。そのため、事前に多くのケースを考え、全ての方が気持よく競技会に参加できるように調整を行っていきます。

競技会の準備であらゆるケースを考え、問題を解決していく作業は、大学で培ってきたものが大きいと思います。大学では、幼少からはじめた競技スキーに着目し、身体運動および眼球運動から「ワザ」や「コツ」の科学的解明を目指していました。競技スキーのように屋外で激しいスポーツを対象にした眼球運動の計測は、不可能とされてきました。しかし、計測が不可能である原因を見つめなおし、予備実験を何度も繰り返し、世界で初めて雪上での実験を成功することができました。

不可能であるから諦めるのではなく、不可能であれば「まず初めに不可能である原因を追究する」、「どうすれば可能になるのか」など、「何事も挑戦」することが今の仕事につながっています。

これからも、これまで培ってきたチャレンジ精神をもって、選手、観客の皆様に満足してもらえる環境を創造していきたいと思っています。皆さんも挑戦のプロセスを楽しんで、多くのことに挑んでください。

私は、週末の楽しみとして学生の頃に得た研究知識を教え、自分で実践しています。

(掲載日:2010/08/31)