MENU
Magazine
2004.09.09

私の本棚|吉野肇一(看護医療学部長)

私には本棚が,3箇所にあるんです。それは,SFCの看護医療学部学部長室,SC(信濃町キャンパス)看護医療学部研究室,そして自宅に。まあ,正確に言えば,この場合の本棚とは作業所ということかもしれませんネ。本棚は,これまでの人生では,多くは職場の1箇所と自宅の,2箇所だったんです。今日の日記は,このような状況にある私の本棚について,次の2点について雑感を述べたいと思ってます:①2箇所と3箇所の違い,②新学部長室の本棚使用指針

(1)2箇所と3箇所の違い

これが,実,に想像以上に大きいんです。私の仕事の主体は,考えることと書くこと(ト思ッテマス)なので,それに要する最低限の資料は3箇所に必要となります。資料で代表的なものは,なんといっても辞書類ですよネ。現今は,電子辞書のおかげでスペース的には大分,助かっていますが,電子辞書の小さなスクリーンは,とても紙の辞書のように,一瞥で,ある語に関する「ドット」くるような量の情報を提供してはくれません。国語と英語に関しては,幸いというか何トイウカ,娘が二人とも超浪費家のため,多くのものを購入し,惜しげもなくどんどんと捨ててくれているので,それらをひそかに拾い集めて使用しているので,余るほどあります。しかし,漢和・独語・看護学・医学というとそういうわけにもいかず,あと何年使うか気にしながらそろえざるを得ないんですヨ。ここで問題は,3箇所ですべて同じものを買い揃えればいいのですが,そこはそこで,なんとなく別のものが欲しいもんです。そうすると,辞書とはいえ,表現や解釈等に微妙に差があるので,どうしても別のものを見たくなりますヨネ。でもこの3箇所は,最長にして70kmも離れていて,数日は立ち寄らないことも多い実情があります。さらに,私には原稿は,締切までにその骨子を考え,その翌日から書き出すという長年の習性があって,これは訂正不能となっています。でも,原稿は,より,完全でありたいというわけで,これだけではありませんが,2箇所と3箇所の違いは,想像以上に大きいことを嘆き悲しみ,かつ,楽しんでいます。

(2)新学部長室の本棚使用指針

私は,2001年に開設された看護医療学部の2代目学部長ですが,実は,学部長室を真っ白な状態で引き継ぎましだ。これは,初代学部長の山崎 元さんが,その学部長就任直後に常任理事に指名され,4月から9月までの半年間しか学部長の席にいなかったこと,また,その間,彼は上記理由により三田勤務が多くて, SFCの看護医療学部長室を訪れることは多くなく,ましてやその部屋を整えるような余裕がなかったからです。

私が学部長職を引き継いだ2001年10月は,まだ,SCには看護短大があったため,現在はSCに研究室のある私たち看護医療学部臨床系教員の研究室はSFCにありました。しかし,私のその研究室(南側で,オオタカの棲む森やビオトープに接し,夏には見事なネムノハナが目を楽しませてくれた)は,学部長就任とともに没収の憂き目にあってしまったのです。

泣く泣く私は,全財産を学部長室に移しましたヨ(トホホ)。学部長室の整備の最初が,どこも真っ白なその部屋でも,とりわけ真っ白な本棚においてでした。ここで気が付いたことは,学部長室は公私両用に使用しなければいけない,来客にも気を遣って美的な配慮が必要ということです。これが結構,難しいんですヨ。学部長室の本棚は,素通しガラス入り観音開き戸付きの固定のものです。まず,全体のレイアウトに基づいて,本棚上下しきり板の位置決めから始めました。そして,結局,一番良いと言うか,目に付くところへは,福澤先生の絵皿等,塾関係デコレーションを置き,その右側には塾とSFC関連資料,左側には看護医療学部,各種医師会および医学関連資料,下欄に各種委員会資料となりました。このうち,医学関連資料は,2003年のSC研究室開設と同時にそちらに移しましたが,その他の資料が増加するスピードは想像以上のもので,すでに溢れるばかりになっており,廃棄作業に入っています。学部長は塾内各種委員会出席義務があるので,その結果,関連資料がやたら多いんです。最初は,それらの閲覧を希望する学部教職員がいるかもと考え,これらをほとんどファイルしてためていましたが,そんなことは皆無であることに気付き,最近では資料をためない努力をしています。なお,学部長室にはこのほかにブラインドの棚が多くあります。しかし,それらは背が低い,見えない,学部長席から遠いなどで,きわめて使い勝手が悪く,機能的な本棚としては,SFCやSCの研究室のほうが優れています。それを改善するために,2002年の夏休み工作として,学部長席背側(西側,丹沢山塊方向。2階渡り廊下より丸見え) にかなり大きな本棚を作り,そのバックをペンキで鮮やかに,ペン入り3色であしらい,皆からほめられています。(お世辞だろうナ?)

本棚整備は,毎回,急いでやらざるを得ません。そして,一度やってしまうとやり直すことは,まず,ないですよネ。これだけでも結構,大変で難しいのに,今回は複数,それも3箇所,の本棚と,公私兼用の本棚という,さらに難易度の高い要件に晒され,いまだに晒され続けている現況を述べました。(了)


hondana_ura (看護医療学部2階渡り廊下より撮影)
hondana_omote(看護医療学部学部長室より撮影)

(掲載日:2004/09/09)

→アーカイブ