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2004.12.04

僕にとってのORF|吉野肇一(看護医療学部長)

ORFの謂れ(いわれ)と今年の見どころについては,前前回(11/18)のおかしら日記で小島さんが,そしてORF2004実行委員長の重責を無事果たし終わった充足感については前回(11/26)のそれで熊坂さんがそれぞれ,巧妙に書かれている。

さて,僕の番か。

今年も昨年同様,3,000人を超す来場者で,さすが六本木ヒルズだ。一昨年前までのSFCでのORFでは来場者がわずか300名に過ぎず,ただでさえ広い会場に,閑古鳥が静かに鳴きまくっていたことが信じられない。それが,ここでやると,場所によっては一寸の余地もないほどの大盛況となり,これこそまさに文字どおり,別世界となってしまった。来場者数に関し,昨年同様と前述したが,その内容・充実度はSFC研究所長の村井さんが言うように昨年の140%と,僕も思う。それは,昨年は六本木初デビューで演者も聴衆も浮いた感じがかなりあったのに対し,今年は両者の両脚ともしっかりと六本木という場所に立っていた。

わが看護医療学部も,メインセッションである「21-12:21世紀をつくる対論12」のうち,「少子高齢化とジェンダー」と「遺伝子情報と心の豊かさ」への参画,ITの看護医療分野への応用,その際の情報セキュリティ確保等に関するデモなどで,わずかではあるがその一翼を担わせていただいた。

メインセッションの中でもメインであった企画で,中心人物があわや欠場となるところを,大学病院の協力で事なきを得た事例を紹介しよう。話題の人物は数日前パリで椎間板ヘルニアによる腰部激痛を発症してしまった。その上,成田着がORF出演当日の午前9時過ぎとのことで,熊坂実行委員長から連絡が僕に2日前に入った。直ちに専門家である大学病院整形外科の千葉助教授に泣きつき,彼の予定を変更していただいて,成田から直接,大学病院で受診,応急処置後,ORF出演可能となり事なきを得た。こういうことがあると,真の意味でのuniversityには医学部が必須ということを再認識できる。

最後のレセプションでは,中締めの挨拶をさせていただいた。舞台がいつになく高かったせいもあり,気分が高揚し,調子も出て,うまい具合に話がつながり,この秋の6シーズンぶり31回目の「六大学野球優勝」のことになった。この優勝は,さる大学のある投手の不祥事にもよるものではあるが,なかなか優勝はできるものではない。とくに,体育会推薦枠が少なく,スカラーアスリート集団の塾では大変なことだ。そこで,「優勝は本当にすばらしい。そして,この優勝の多くは,SFCの選手によるものです!」という言葉で締めたら,受けましたね〜。事実,そうだから超快感!

最後にもう一つ,昨年もあった体育研究関連のデモでの,「センサによるスポーツ技能評価」について。これがゴルフを趣味とする僕にはきわめて魅力的なのだ。昨年あたりからゴルフのスコアが悪化した。そのために,昨年はこのデモでその原因を探求していただき,原因が分かった気がして大満足だった。ところがその後も,この悪化に歯止めがかからない。そこで今年もお世話になることにした。その結果,再び,大満足した。悪化の原因がさらにはっきりと目に見えたからである。それは何かというと,大きくは二つあったのだ。一つ目は,僕が超多忙となり,ゴルフの回数が激減したことである。もう一つは,昨年の診断によるゴルフスイングの改良は,毎日柔軟体操・腹筋・背筋トレを行って体の柔軟性とスプリングを向上させ,かつてのように1年に50回近くラウンドし,その間に練習場へ行かない限り,土台無理であったということ。それどころか,最近の身体的柔軟・弾力性における加齢現象を考えると,このようなスイングを追及することはきわめてリスキーなのだ。

このようなことを,このデモ:「センサによるスポーツ技能評価」は教えてくれた。これできっとスコアの悪化に歯止めがかかることであろう。でもやっぱり,プロゴルファーのような理想のスイングを追い求めるか? 悩みは尽きない。(了)

(掲載日:2004/12/04)

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