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2007.08.02

この夏を乗り切るためには|大西祥平(健康マネジメント研究科委員長)

私のおかしら日記が出る頃は夏真っ盛りの頃だと思い、熱中症の話題をします。毎夏私自身、あちらこちらのメディアから、熱中症の話しをしてほしいとか話題を提供してほしいとたくさん要望が入ってきます。広報については非常に大切な事と認識しています。運動時の死亡の原因の一つに熱中症があり、数も少なくないため、十分な理解をして対策を講じなければなりません。

今のヨーロッパでは、熱波で40度以上の日が続き、数百人の方が熱中症で亡くなっています。多くは高齢者の方です。高齢者の方は熱に対する耐性が若い人に比べて低くなっています。体の水分量が少ない、汗のかける量が少ない、喉の乾きがさほど強くない、トイレの数が多い、など、高齢者は脱水になりやすく、必要な量の汗をかく事ができず、のどの渇きが弱い事によって水分摂取量が少ないなど、熱中症のリスクが高いことが理解されます。

対策として定期的な水分補給は基本です。朝昼晩の食事をきちんととって頂いている場合は、水分として摂るものとして真水で十分です。また冷房の使い過ぎは体温の調節機能をおかしくする可能性もあり、冷やし過ぎは禁物です。部屋と外との温度差は5度以内が好ましいです。扇風機と上手に併用するようにしましょう。

熱中症の方をみかけたら、涼しいところに移動して、まずは冷やしてください。氷があれば、首、脇、みぞおち、脚の付け根にある動脈をよく冷やす事がポイントです。無理に水を飲ませてはいけません。間違えて肺に水が入ってしまいます。このように処置をしている間に、救急車を呼びましょう。

(掲載日:2007/08/02)

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