MENU
Magazine
2007.10.18

You Are What You Eat --- あなたは、あなたの食べたもの|金子郁容(政策・メディア研究科委員長)

毎年恒例の教員健康診断がまもなく行われる。昨年度から、メタボの検査でおなかまわりを測定されることになって、私を含めた中年男性陣は戦々恐々としている。これからは、「未病(病気ではないが健康ではない)」の段階で手立てをとることが大事だということで、ありがたいことではある。

私は、気を抜くと、体重が増えてしまう体質なので、毎日、体重を測り、気にしている。テレビの深夜放送のCMにつられて、通販のダイエット器具をいくつも買ったが、数週間で使わなくなってしまう。50歳を過ぎたころから、毎年一回、フルマラソンを走っていて、その準備期間に数キロ体重を落とすのだが、その経験から、運動だけで減量することは至難の業だということがよくわかった。

英語の表現で、「You Are What You Eat(あなたは、あなたの食べたもの)」というのがある。ダイエット器具もマラソンもあるが、結局、どんなものを食べるかだという教えだ。私の体重が増えがちなのは、考えてみると、若い時代に十数年間アメリカで過ごし、ポテトフライ、ピザ、チーズバーガー、TVディナー(冷凍の夕食パッケージ)など、いわゆる“ジャンクフード”を食べる習慣が身についてしまったからである。

最近は、結局、続かないダイエットではなく、玄米や野菜や脂身のない肉等、おいしくて「体によい」ものを、ゆっくりと噛んで食べるように、心がけるようにした。意識してそうしてから、半年ほどで、いろいろな数値も改善した。研究科委員長になって、重大な任務に身が引き締まる思いがしているが、仕事量が一気に増え、食事に気を使っている時間がなくなりそうで、身が引き締まるどころか、その反対になりそうだ。それが、一番、心配だ。なんとかしたいと思っているが、会議で出る高カロリー弁当を我慢して食べないでいると、あとで、コンビニでアイスクリームを買っている自分に気づいたりしている。さて、今年の検査でおなかまわりはどうなっているのやら。

(掲載日:2007/10/18)

→アーカイブ