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2007.11.22

おかしら心のふるさと|大西祥平(健康マネジメント研究科委員長)

私の郷里は兵庫県姫路市です。世界遺産である国宝姫路城(白鷺城)を仰ぎ見ながら育ちました。小学5年生の時に姫路城を書いた水彩画で賞をもらったこともありますが、非常に思い入れがありました。慶應義塾には大学医学部入学以降、姫路には戻らずそのまま居残っております。帰郷することは年に一回あるかないかですが、帰郷すると必ず姫路城まで20分ほどですがジョギングし、城内を散策します。そして時の流れ、空気の動きを感じています。東京では接することのできない時間の流れと空気の動きです。私が子供の時に育てられた要素がまだ残っています。夕陽、からすが山に帰る様子、餅米による蝉とり、水田のたにし、たがめ、ざりがに、みずすまし、アメンボーといった自然の恵み、そしてゆったりと流れる時間です。慌ただしい毎日を過ごすなかで、時の移ろいを肌で感じることが無くなってしまっている自分を非常に貧しいと感じているなか、出来うる限りふるさとにわずかな時間でも戻るようにしたいと最近強く思うようになっています。年齢がそうさせているのでしょうが、旧き良き、心ゆったりとした時空を歩んでこれた環境は私にとって最も心地よいものであります。
私にとってのこころのふるさとは姫路城です。

(掲載日:2007/11/22)

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