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2009.04.16

雑感:東京近郊の桜|山下香枝子(看護医療学部長)

昨日、財務省の前を通ったら、八重桜が「たわわ」に見えるように見事に咲いており、急いで携帯電話のカメラを向けてしまいました。写真の写りは、日光との関係か(太陽がかなり上に来ていた)、うで(撮影技術)のせいか、私が感動したほどには現実をとらえていませんでしたが、私の網膜には「今年の一枚」として、淡い上品な色調の豊かさを焼きつけました。

東京市街の「ソメイヨシノ」種は、三田キャンパスや日吉キャンパス、信濃町キャンパス(新宿御苑と外苑の借景)に見られるように、多少の時間差はあっても、三月末から四月の入学式の頃に咲きほこり、卒業や入学を迎える人々の成長や変化を、人々と共に祝ってくれているように思えます。
気をつけてみますと、東京には30年以上も前に植えたと思われる「成木の桜」があちこちに多数あり、ほんのひとときの開花の頃に、その存在感を誇示します。
私の周辺では、毎朝、登校途中にくぐり抜ける近所の小学校の庭先にある3本の大きな桜が春の訪れを真っ先に知らせてくれます。しばし立ち止まって眺め、その「美」を堪能します。もう一つはSFCに向かう小田急電車から見える「登戸〜町田」間のそこかしこに見える遠景色です。その桜の連山やトンネルは、一夜にして日本画の世界がもたらされたようで、忘れかけていた「自然」のエネルギーの気まぐれや意図に気づかされる思いがします。

誰の言葉であったかはっきりしませんが、「‘美’は、危機状況や困難な状況にある人に、生きる力や勇気を与えてくれるものである」という主旨の言葉を思い出しました。美への感動が、それまでのこだわりを変え、新たな世界観を育ててくれるという経験を幾度かしてきたように思います。桜の季節になると、そのことが一瞬、私の脳裏をかすめ、「資料ばかり眺めていないで、違った体験をしよう、野山に行こう・・など」と、誓ってみますが・・・。
昨年の暮れ頃、横浜美術館でみた「セザンヌ主義」展に次のような言葉が記されていました。

進歩を果たすためには、自然しかありません。自然に接して眼がしつけられます。

Inorder to make progress there is only nature, and the eyeistrained,through contact with her. It becomes contentedlythroughlooking andworking.

進歩や変化を求めている方、違った体験をしたいと思っている学生のみなさん!
この春の良い季節に「美」の感動を求めて行動に移し、自己拡張にchallengeしましょう。

(掲載日:2009/04/16)