MENU
Magazine
2013.06.17

「お・か・し・ら」で「あいうえお作文」に挑戦|高野仁(SFC事務長)

 

※今回のテーマ:「おかしら」であいうえお作文

今回の「お題」は「あいうえお作文」を「おかしら」でということである。
日本テレビの「笑点」の大喜利などでも行われていると思うが、おそらく原点は、和歌(短歌)の中での折句にあるのではないかと考える。

有名なのは伊勢物語の第9段で「かきつばた」を5・7・5・7・7のそれぞれの句の頭におりこんで、旅の思いを歌に詠むというものであろう。

からころも
きつつなれにし
つましあれは
はるはるきぬる
たひをしそおもふ

「唐衣着つつ慣れにし妻しあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ」

和歌の表記には、この時代濁点は付していないので、「かきつばた」は、「かきつはた」でもかまわないのである。

さて、「おかしら」を頭に作文をということだが、上記の伝統にのっとって、折句にして詠んでみたいと思う。5句あるので、ラストは「日記」を入れてみた。「おかしら日記」ということでご覧いただきたい。

おかしらの
かんかえひろく
しらしめよ
らくにはあらねと
にっきにつつれ

「おかしらの考え広く知らしめよ楽にはあらねど日記に綴れ」

おかしら日記の執筆メンバーにまぜてもらってから、今まで以上に「おかしら日記」の更新を気にするようになった。ところが、順番は決まっているものの、みなさん多忙なせいか、なかなか更新がされない。担当者に締め切り期限をこえてしばらくたっても原稿が届かないと、スキップしてその次の方に依頼するしかないことになってしまう。その次の方もなかなか原稿をだしていただけないというとますます間遠になってしまうのである。

前回の「オリンピック」というテーマも開催前の6月にK学部長が書いたものの一番盛り上がりをみせた開催期間に次の方の更新がなかったのは機を逸してしまったという感じを否めない。私がこのテーマでアップしたのもそろそろ秋風が吹く頃だった出場選手の報告会のあとであった。

こうした現状をふまえ、おかしらの皆さんに「おかしら日記」の原稿提出を多忙の中で楽ではないでしょうが、締め切りに間に合うようによろしくお願いしますという気持ちをこめたのが、上記の歌である。

折句にするのも、5文字なら短歌、3文字なら俳句という具合にいくが、4文字だとおそらく都都逸がいいかもしれない。都都逸は、7・7・7・5の4句で構成されている。

都都逸といっても、なじみのない方も多いだろうから、Wikipediaの「都都逸」の項で紹介されているものを例示しておこう。

・惚れて通えば 千里も一里 逢えずに帰れば また千里
・恋に焦がれて 鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が 身を焦がす

「おかしら」は4文字だから、この都都逸の形式でも一つひねってみよう。

おおばえんどう
かまくらかいどう
しょうなんのなつ
らいふたうん

(大庭・遠藤、鎌倉街道、湘南の夏、ライフタウン)

SFC近辺の地名と歴史の道である鎌倉街道、古きを思い起こさせる言葉と対照的に現代的な「ライフタウン」を結句に配置し、それを昔も今も共通の「夏」という季節でつなげてみた。字数にすると8文字・6文字だが、「う」の字を長音として言葉にすれば、語呂としては悪くないと思う。しかし、なによりも都都逸は、もっと艶っぽくないと粋じゃないのだが、折句ということでご勘弁いただきたい。

(掲載日:2013/06/17)