委員長メッセージ

"Vision""Mission""Passion"
一つでも欠けていたら、"Innovation" は絶対に生まれない。

研究活動において重要な資質は、"Vision" "Mission" "Passion"の形成力です。湘南藤沢キャンパス(SFC)では、キャンパス全体に問題発見解決型の教育・研究の理念を掲げ、社会や自然環境の中に存在する様々な問題を発見し、それらの解決に向けて、"Innovation"を実現できる人材の育成を目指しています。大学院政策・メディア研究科は、慶應義塾大学の教育研究機関として、文理融合によって形成される学際的学問領域を対象に、問題発見解決型の教育・研究をシステマティックに実現する、そのような大学院を目指して教育研究活動を進めています。

慶應義塾創立時の"Vision"のもとに

社会システムと技術的システムの作り手と使い手が、別々の世界に存在している状況でシステムづくりが進められるという時代は終わりつつあります。これからのシステム作りでは、最終的なシステム利用者を、プロジェクトのスタート時から組み込んでデザインすることが重要です。「新しい技術的システムや社会システムを設計するとき、社会が多様であることを前提とし、その多様性にどのようなコンテキストや価値を与え、発信するかを考える―」これがSFCの教育研究スタイルであり、シーズとニーズの間を埋めて研究を行うことができる環境作りを進めています。

慶應義塾創立者の福澤諭吉先生が、幕末から明治という激動の時代に、「独立自尊」「実学」の精神をもって新しい時代を開拓した原点を見失わないよう、新しい社会を創り出すリーダー像を常にイメージし、問題発見解決と文理融合の学際研究を軸とした教育研究活動を行っていきます。

先端の知識と技術を持った人材を育成

世界には、地球環境や社会的事象など、一つの学問領域だけでは解決できないグローバルな問題が数多くあります。政策・メディア研究科の"Mission"は、こうした問題を解決へ導くことにあります。"Mission"の実現には、新しい社会システムを構築するための知識と技術を兼ね備え、先端のテクノロジーを使いこなせる人材が必要です。

先端のテクノロジーについては、特にサイバー・フィジカルシステムの実現は、今後、社会の進歩に欠かせない重要な技術であり、技術と社会ルールの両方の設計が必要不可欠です。例えば、車の自動運転システムも、情報技術を使って物理空間において車を運転するサイバー・フィジカルシステムと捉えることができ、また、それを実現する社会ルールの構築が重要となります。情報空間と物理空間の組み合わせ、そして、社会ルールの形成が、いかに新しい価値を生み出すか。このことを十分に理解し、意識しながら教育・研究を行う必要があります。政策・メディア研究科では、最先端のデバイスや機械、ソフトウェア技術と社会ルールの設計プロセスを研究環境に導入し、それらの知識と技術を有する人材を育成しています。

研究への情熱は何にも勝る

研究活動においては、個々の人間が十分な資質を持っていることに加え、その資質を多くの人が共有し、研究に生かしていくという環境づくりが大切です。政策・メディア研究科では、様々な研究分野の学生が集まり、時にそれぞれのスタイルで研究し、時にお互いの研究や方法論を共有できるロフト(共有スペース)も用意されています。何よりも強みとなる、その研究が好きであるという学生の"Passion"の形成をサポートしています。 知の共有、技術の共有はキャンパス内に留まりません。平成23年度に採択された博士課程教育リーディングプログラム、平成26年度に採択されたSGU(スーパーグローバル大学創成支援プログラム)のフレームで、海外の教員や研究者を招聘するなど、グローバルな知の共有やさらなる地球規模のフィールドへの展開も進めています。

常にチャレンジすることが、新しい文明、新しい世界を生み出します。SFCは、そのチャレンジのためのさまざまな実験ができるキャンパスです。最適な実験環境の中で、学生、教員、研究者のすべてが"Vision" "Mission" "Passion"を持ってチャレンジし、そこから、地域社会、世界に大きな影響を与える"Innovation"を生み出すことで、私たちの使命が果たせると考えています。

清木 康
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科委員長 兼 教授

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